「大学1年生時点では、自身の未熟さを感じることが多かった。選手、技術のレベルの話になるのですが、たとえば、普通に95マイル(約152キロ)以上を投げこんでくるピッチャーへの対応。平均球速が日本より高いボールに対してアジャストする確率にまだバラつきがあった。そこは単純に技術の未熟さ」
「パワーにおいても、高校までは自信を持っていた部分がありましたが、こっち(アメリカ)では同じようなパワーを持っている選手が何人もいる。その中で何を突出させていくのか、磨いていくのかということを考えたシーズンでした」
その未熟さに対して、「今は試合がなくオフシーズンですけど、ほぼキャンプのような感じでトレーニングや練習に取り組んでいる」という。未熟な自分を認め、どことなく負荷すら楽しみながら、「ストレスを一つのモチベーションにしてやっている」と言う彼の顔は明るい。
太平洋を渡り、アメリカの地で挑み続ける麟太郎の思考はブレない。スタンフォード大学での「学業」と「野球」の両立を求める中で、大学2年生ながらに日本プロ野球のドラフト対象選手になっても変わらない。
今年(2025年)8月、ドラフトにおける日米間のルールで申し合わせがあった。NPB(日本野球機構)が、MLB(メジャーリーグ機構)との間で翌年にMLBドラフトの対象となる選手を日本のドラフトで指名しても問題ないことを確認。「その年度のMLBドラフトの指名対象となる選手は、MLBドラフトからさかのぼって約10カ月前のNPBドラフトで指名対象となる」。つまり、来年のMLBドラフト(7月中旬)で対象となる選手でも、今年の日本のドラフトで指名が可能。
MLBでは、アメリカの大学3年修了か21歳以上でドラフト対象選手となるのだが、26年4月で21歳となる麟太郎も、その「対象選手」となる。


