「MUFG国立」は日本の新たな社会インフラへ
Jリーグの野々村芳和チェアマンは、「日本のナショナルスタジアムも新しいスタンダードへと向かう、その第一歩」とコメントを寄せ、今回の決定に強い期待を見せた。その言葉通り、JNSEとMUFGの挑戦は、日本のスタジアムビジネスにおける歴史的な転換点である。
日経新聞はMUFGによるパートナーシップを「5年総額100億円」と推定している。
しかし総額ばかりに着目すると「木を見て森を見ず」に陥るだろう。亀澤CEOは「金額は開示していない」と断言。金額に固執するなというメッセージに映った。この取り組みは、公共資産である「聖地」が民間企業の知恵と資金、ネットワークを最大限に活用し、自らの価値を拡張していく新たなモデルの提示に他ならない。この挑戦が成功すれば「MUFG国立」が、道路や電力網と同様に、社会に新たな価値をもたらし続ける「社会インフラ」として、その存在意義を生み出す…そんな未来がやってくる。そして、このモデルは全国のスタジアムやアリーナ、さらには他の公共施設が抱える課題に対する、一つの光明となりうる。地域の核となる施設が、地元の企業と「共創」することで、新たな産業を興し、地域活性化のエンジンとなる。そんな未来が、決して夢物語ではないことを、「MUFGスタジアム」はこれから証明していくのかもしれない。
「失われた30年」を経て、なお閉塞感が漂う日本にとって、スポーツが巻き起こすこうした新しい潮流は、未来を切り拓く打開策となる可能性さえ感じさせる。


