「池袋にはいったい何軒くらいのガチ中華の店があるのですか?」
これまで筆者はこの質問をどれだけ多くの人たちから、繰り返し聞かされてきたことだろう。
2021年6月に『攻略! 東京ディープチャイナ~海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華 全154品』(産学社刊)という書籍を上梓し、ウェブサイト「東京ディープチャイナ(TDC)」とSNSの運営を始めて以降、テレビやラジオ、雑誌、新聞など各種メディアの人たちから、毎回、ほぼ聞かれるのがこの質問だった。
同書を書くにあたって、2020年夏頃から、筆者は都内のガチ中華が集中して出店する池袋や上野、高田馬場、中国籍人口が多い都内東部各区に何度も足を運び、店の写真を撮り、どの地方のどんな料理を提供する店なのか、一軒一軒調べ上げ、地図に落とした。ときには店に入って未知なる料理を口にし、店主や調理人たちの話を聞いてきた。
そんななかでも池袋は、すでに多くの人が知るように、ガチ中華が日本で最初に集中出店したエリアだけあって、いまでも年に何回も歩くことがある。ガチ中華の店は必ずしも繁華街にあるわけではなく、住宅街にひっそりと店を開いていることもある。そこまで探し歩くと、食事休憩を入れても4時間くらいはかかる。それでも、毎回新たな発見があるので面白い。
こちらはこんなに汗を流しているのに……、などとぼやくつもりはないのだが、その質問をされるたび、正直に答えるのは少々癪にさわるところがないこともなく、せめて自分が案内するので一緒に歩きませんかと、取材の依頼があるたび、テレビの撮影スタッフや雑誌の編集者、新聞記者のみなさんを案内して池袋を歩いたものである。
昨年は毎月ほぼ1回のペースで、「池袋<ガチ中華>街歩きツアー」を実施し、毎回15名から多いときは30名近い人たちを連れて、池袋のガチ中華出店状況を解説しながら案内した。自分で言うのもなんだが、個人的に案内した友人知人やメディアの人たちも含めれば、300人近い人たちを連れて歩いたのではないだろうか。



