経営・戦略

2025.10.28 12:30

イノベーションが「先行者優位」を真っ先に動く者にもたらす「6つの理由」

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「ブルーオーシャンのチャンス」を見つける

過去の事例を見ると、イノベーションに関して、真っ先に動いた者が勝利を収めることが多い理由の1つとして挙げられるのが「ブルーオーシャン戦略」だ。差別化に注力し、イノベーションを牽引することで、市場の中でもチャンスにあふれた、競争相手のいない領域を発見できるというのが、この戦略のアプローチだ。

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だが一般的にいえば、ブルーオーシャンは、既存製品と異なる斬新なものを作り出すことで開けてくるものではない。そうではなく、企業が自らの属する業界で常識となっていた境界線を変更し、多大な利益をもたらす可能性のある市場の占有権を主張する時に生まれるものだ。

Dimov Tax(ディモフ・タックス)

例えば、インターナショナル・ビジネス・タイムズ紙のある記事では、Dimov Tax(ディモフ・タックス)という会社が、税金に関して複雑な状況を抱える個人向けの税務および会計サービスを急速に拡大できた経緯を解き明かしている。創業者のジョージ・ディモフは、四大会計事務所レベルの正確性と、小規模事務所ならではのきめ細かいカスタマーサポートを組み合わせた、ハイブリッドなサービス体制を構築することで、「ブルーオーシャンといえるチャンス」をつかめると察知した。それは、当時の市場には出回っておらず、なおかつ幅広い層にアピールする製品を提供できる場だった。

基本的に、高収入の納税者の税申告は、四大会計事務所に依頼するほどの規模ではないが、標準レベルの所得税申告書の作成業務を担う地元の小さな事務所には、複雑すぎて手に余るものだ。加えて、こうした裕福な依頼主の税金対策を着実に行なうのも、同様に難しいという問題がある。そこで、必要なサービスが得られていない、こうしたオーディエンスに焦点を合わせることで、需要の波が押し寄せた。ディモフは、サービス開始からほんの数週間で、複数人の従業員を雇い入れることになったという。

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任天堂

ゲームメーカーの任天堂も、「Wii」と「Nintendo Switch」という2つの家庭用ゲーム機シリーズで、2度にわたりブルーオーシャン戦略を実行したことで知られる。

任天堂のWiiは2000年代初頭、ユニークなモーションコントロールを採用することで、普段ゲームをしない人をターゲットとし、新たなオーディエンスを創出した結果、当時の据置型ゲーム機として多くの販売台数を実現した。さらに同社は、Switchでも再びブルーオーシャン路線を選択した。この時には、携帯型と据置型、両方の特徴を兼ね備えたゲーム機であるSwitchを開発することで、他社にない価値提案を創出し、Wiiをも上回る販売実績を叩き出した。

新たなオーディエンスを見つければ、競合他社と同じオーディエンスを奪い合うよりもはるかにコスト効率が高いため、よりスピーディで持続可能な成長が可能になる。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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