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2025.10.22 08:00

AIの可能性に挑むApple M5チップ 新iPad、Macはどう進化した?

最新のApple M5チップを初めて搭載する新製品が3つのカテゴリから一斉に発売される

最新のApple M5チップを初めて搭載する新製品が3つのカテゴリから一斉に発売される

アップルが自社設計によるApple M5チップを初めて搭載するiPad Pro、MacBook Pro、Apple Vision Proを10月22日に発売する。それぞれの実機を紹介しながら、Apple M5チップが次世代のAIコンピューティングにもたらす進化を解説する。

高性能なだけじゃない、Appleシリコンが新製品に果たした大きな役割

Appleシリコンはアップルが自社で設計するSoC(システム・オン・チップ)の総称だ。iPadとMac、Apple Vision ProにはMシリーズを採用している。その他の主力製品についてはiPhoneとApple TV 4KがAシリーズ、Apple WatchはSシリーズ、AirPodsはHシリーズという内訳だ。

今回アップルが発表したM5チップは、2024年5月にリリースしたM4チップから約1年半ぶりのアップデートになる。Macについては標準的なMシリーズのチップ以外に、上位のProとMax、Ultraのチップを搭載するモデルが同時に発表・発売されることが多かったが、今回はMacBook Proの中で最もスタンダードな14インチのM5チップ搭載機を先行発売する。

Apple Vision ProはアプリケーションやAI処理などソフトウェア側を制御するMチップがM2からM5まで一足飛びにアップデートした。内蔵する複数センサーの統合処理など、ハードウェア側の制御にまわるApple R1チップは変更していない。

各デバイスの心臓部、あるいは頭脳であるSoCを自前で設計しているからこそ、アップルは利益率を確保したまま新製品の価格を安定させることができた。iPad Pro、MacBook Pro、Apple Vision Proはすべて前世代のモデルから価格を据え置いた。いずれも高価な製品ではあるが、このタイミングで旧モデルからの買い換えや、下位モデルからのステップアップを検討していたユーザーには前向きに決断しやすい状況といえるだろう。

AIコンピューティングの未来に備えたM5チップ

前世代のチップに対して多様なAI処理への対応力が強化されたApple M5チップについては、主に2つの注目したいポイントがある。ひとつは10コアGPUの各コアにAI処理の性能を高めることを目的としたニューラル・アクセラレータを追加したこと。もうひとつは16コアNeural Engineのチューンナップを図ったことだ。

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編集=安井克至

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