新しいMacBook Proは、M5チップのパワーマネージメントが優れていることから、バッテリーをフル充電にした状態から余裕の最大24時間連続駆動を実現するという。M4チップを搭載するMacBook Proから公称スペックの数値的には変わっていないが、負荷の重いマルチタスキングやAI処理を行っても、前世代のモデルと同等以上のスタミナ性能を維持したという意味なのだろう。違いを実感するためにもう少し使い込んでみたい。
空間コンピューティング体験とAIの結び付きも深まる
iPad Pro、MacともにGPUの性能が向上したことでゲーミング体験がリッチになるとアップルは主張している。筆者はふだんゲームを嗜まないため、この点については検証を見送った。アップルがM5チップのGPU性能を高めた背景には、AI処理のパフォーマンス向上だけでなく、ビジネスからクリエイティブワーク、コンテンツ視聴にゲーミングまで、「1台でなんでもこなせるパソコン」がユーザーに求められる現代の潮流にMacBook Proを対応させる狙いもあったのだろう。
Apple Vision Proについては、新しいM5チップが空間コンピューティングの体験を全体的に底上げする役割を担っている。AI関連の機能では2D写真を3Dの空間シーン情報を加えて変換するスピードが確かに速くなっている。頭の側面から支えるバンドに、頭頂側を支えるバンドを追加したデュアルニットバンドも試した。本体の重みがバランスよく分散されて負担が軽減する。
M5チップは高度なAI処理をローカルで実行できる性能を備え、Appleシリコンを基盤とするセキュアな「Private Cloud Compute」と連携することで、ユーザーのプライバシーを堅固に守りながら空間コンピューティングの未来に新たな可能性をもたらす。Apple Vision Proは、そのApple IntelligenceによるAI体験を仮想空間へと拡張するうえで、重要な役割を担うデバイスだ。
連載：デジタル・トレンド・ハンズオン
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