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2025.10.22 16:00

スローダウンが人生を劇的に変える、心理学者が解説する「あえて立ち止まる勇気」の大切さ

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この研究は、マインドフルネスが単に時間の長さの感じ方を変えるだけでなく、その中での気づきの質を変えることを強調し、一瞬一瞬を精一杯生きているかは注意力に左右されることを示している。

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専門誌『Frontiers in Psychology(フロンティアーズ・イン・サイコロジー)』に掲載された研究では、長期的なマインドフルネス瞑想が時間の知覚に影響を与えるかどうかを検証した。この研究では、瞑想の経験が豊かな人42人(平均10年の瞑想歴)と、それらの人々と年齢や性別、学歴がほぼ同じである、42人の瞑想を行わない人を比較した。

参加者には、ミリ秒から数分間隔の持続時間の識別や再現、時間の推定など、客観的な時間知覚を測定する心理物理学的なタスクに取り組んでもらった。また、時間的プレッシャーや時間経過の感じ方、過去1週間と1カ月の回顧的な判断など、主観的な時間を評価するアンケートにも答えてもらった。目的は客観的な時間の正確さと、日常生活における主観的な時間の経験を調べることだった。

調査の結果、客観的な時間タスクでは、マインドフルネスの瞑想を実践する人と瞑想をしない人との差はなく、どちらのグループも時間間隔の判断と再現において、同じように正確であることがわかった。だが、主観的な測定では、瞑想を実践する人は時間的プレッシャーが少なく、時間の拡張が大きく、時間の経過が概してゆっくりだと報告した。

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また、瞑想をする人は瞑想をしていない人に比べて、過去1週間や1カ月がよりゆっくりと過ぎていったと感じたと報告している。つまり、瞑想は必ずしも客観的な時間の認識を改善するわけではないが、時間の感じ方を変えることができ、日常生活の中で時間の拡大やゆっくりとした時間の感覚を生み出す。

常に「する」から、単に「いる」へのシフト

常に不安やプレッシャーを感じている人は、時間との関係も歪んでいる可能性が高い。締め切りや将来の結果、あるいは「十分にしていない」ことを心配するあまり、あなたの心は経験をないがしろにし、人生の本質を奪い去ってしまう。より少ない時間でより多くのことをこなそうとするが、それはストレスを増大させ、集中することも、やっていることを楽しむことも難しくするだけだ。

前述の研究は主に瞑想に焦点を当てたものだが、ここで注目すべきはもっと広い意味での教訓だ。スローダウンすることは、いつでもできるライフスタイルの選択だ。時間の感覚を広げるために何年も正式な練習をする必要はない。

与えられた瞬間に喜びをもたらすものに細心の注意を払い、それを十分に味わうという小さなことから始めればいい。ただ「ありがとう」と言うだけでなく、なぜ感謝の念を持つのかを理解することで、それに対して感謝の気持ちを抱くようにする。そうすることで、一歩引いて実際に起こっていることを受け止め、その瞬間の恩恵に心から感謝することができる。

そうすればするほど、これは自動的な習慣となる。ひいては、人生がより豊かに感じられるようになる。時間の拡大とは時間を増やすことではなく、一瞬一瞬をより意図的に生きることを選択することなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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