当然のことながら、すべての電子機器の使用が有害というわけではない。乳幼児向けのアプリには、触れると音が出る色とりどりの浮遊する図形が登場するものがあり、少しの間遊ぶ程度であれば特に有害になるとは考えにくい。だが、子どもたちは観察力に優れており、私たち大人が携帯端末に夢中になっている姿を見た幼い子どもたちは、自らもスマートフォンやタブレットに触れる機会を求めるようになるだろう。
親たちは幼い子どもたちを、ソーシャルメディア(SNS)からは遠ざけているようだ。これは良い傾向だと言える。例えば先述の調査では、12歳未満の子どものうち中国発の動画共有アプリ「ティックトック」を利用しているのはわずか15%だった。80%の親が、SNSは利点より弊害の方が大きいと答えていた。
親が子どもに利用を許可しているSNSは以下の通りだ。
● ティックトック 15%
● スナップチャット 8%
● インスタグラム 5%
● フェイスブック 5%
だが、子どもの年齢が上がるにつれ、その割合は大幅に増加している。調査によると、11~12歳の子どもの37%がティックトックを利用していると保護者が回答した。5歳未満の子どもでも、6%がティックトックを利用していた。
ユーチューブは、子どもたちの間で最も人気のアプリだ。12歳未満の子どもの親の85%が、子どもがユーチューブを視聴したことがあると回答しており、うち半数は毎日利用しているという。驚くべきことに、2歳未満の子どもを持つ親の62%が、子どもにユーチューブの動画を見せている。例えば、童謡や子ども向けの歌を配信するユーチューブチャンネルで、登録者数が約4200万人に達しているものもある。ユーチューブを毎日視聴する子どもは、2歳未満で35%、2~4歳で51%に上っている。
他方で、42%の親が改善の余地があると答えており、おおむねリスクを理解しているようだ。忙しく疲れている親が増える中、電子機器に子どもの世話を任せるのはいとも簡単なことだ。ある親は調査員に「私たち親でさえ、スマートフォンに過剰な時間を費やしている」と指摘した。「9歳の子どもが自ら画面を見ている時間を管理し、(他の活動との)バランスを取れるなどと期待できるだろうか?」


