アップルは、iPhoneユーザーにグーグルのブラウザー「Chrome」を使用しないよう警告し、マイクロソフトもWindowsユーザーに同様の警告を出した。そしてグーグルは、Chromeの30億人のユーザーにとってのさらなる悪い知らせを認めた。世界で最も人気のあるブラウザーをやめるべき時なのだろうか。
Chromeのプライバシー保護技術群「Privacy Sandbox」
グーグルによるChromeでトラッキングCookie(クッキー)を廃止する計画では、同社のPrivacy Sandbox(グーグルがクッキー廃止の代替として開発していたプライバシー保護技術群)が中心に据えられていた。これはCookieの代替策を探るもので、ユーザーのプライバシー、広告業界、規制当局の間で均衡を図ることを目指していた。しかし、その均衡は見つからなかった。プライバシーへの注力は終わったのだ。
グーグルは突然、プライバシー関連の取り組みが「段階的に廃止されつつある」ことを認めた。現在6年目に入ったPrivacy Sandboxは、追跡はこの先も存続し有効な代替はないとグーグルが認めてからわずか数カ月で、事実上終息した。
「グーグルのPrivacy Sandboxは公式に死んだ」
この方針転換の規模は大きい。AdWeekは「グーグルのPrivacy Sandboxは公式に死んだ」と報じ、グーグルは業界メディアに対し「プロジェクト全体を終了する」と伝えたという。
Privacy Sandboxは発足当初から問題を抱えてきた。最初の取り組みであるいわゆるFederated Learning of Cohorts(FLoC)は、アップルがヒッチコックの『鳥』(The Birds)をもじった「Flock」([鳥の]群れ)で痛烈に風刺し、Chromeに対するSafariの優位を訴える材料となったことで悪名高い。
採用が低調であることを踏まえて「退役」する取り組みの一覧には、Attribution Reporting API、IP Protection、On-Device Personalization、Private Aggregation、Protected Audience、Protected App Signals、Related Website Sets、SelectURL、SDK Runtime、Topicsが含まれる。要するに、ほとんどすべてだ。



