各方面からの厳しい批判
Privacy Sandboxが実質的に終わったというグーグルの決定に対する反応は厳しい。Gizmodoは、「あなたが使ったことも聞いたこともないかもしれないもの、Privacy Sandboxをグーグルは静かに殺した。この死を嘆くべきだ。なぜなら、その意味するところは深刻だからだ。これは、ChromeにおけるサードパーティCookie廃止に向けた6年分の取り組み──最終的には主要ブラウザー全体でCookieを時代遅れにしたかもしれない──が、結局は何も生まなかったということを基本的に意味する」と指摘した。
PPC Landは「採用に失敗した後、ChromeはPrivacy Sandboxの大半の技術を葬った。グーグルは数年にわたる開発、低い導入率、そしてCookie代替案に対する広範な業界批判を受け、9つのPrivacy Sandbox APIを退役させる」と述べた。
Engadgetは「グーグルはPrivacy Sandboxを葬った」という。
Chromeの優位は損なわれず、高いシェアを保ち続ける
プライバシー擁護派にとって皮肉なのは、トラッキングCookie廃止の執行猶予やデジタル・フィンガープリンティング(デジタル指紋採取)の復活を含む、ここ2年の否定的な見出しのどれもが、モバイルやデスクトップにおけるChromeの優位を損なっていないという事実である。
Chromeは今や、モバイルとデスクトップの世界市場でいずれも70%超のシェアを持つ。地平線上にある唯一の脅威は、新しいAIブラウザーであり、PerplexityのCometやオープンAIから期待される選択肢が含まれる。
その一方で、グーグルは牙城を守るために高度な機能を矢継ぎ早に投入しており、最近の「Gemini in Chrome」アップグレードは新興のAIブラウザーを牽制する狙いだという。ここでもプライバシーに関する警告がすでに出されており、Geminiは代替案よりも多くのユーザーデータを収集している。しかし、それでもユーザーの採用状況に影響を与える可能性は低いようだ。
とはいえ、Gizmodoは警告する。「Privacy Sandboxが完全になくなったことで、どこかの時点で長く先送りされてきた計画がしぼんだのは明らかだ。ユーザーの個別追跡は、広告に支えられ無料で利用できるインターネットの支持基盤であり、それが変わることはない」と警告している。そして、グーグルが世界のインターネットを主導するという点に関しては、おそらくそれこそが、最も驚かない「驚きのニュース」なのだろう。


