暗号資産

2025.10.20 09:30

「ゲームオーバーだ」、米ドルの危機で予測される金価格の急騰とビットコインの転換点

Silas Stein/picture alliance via Getty Images

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ここ数週間、ビットコインは急落しており、「フラッシュクラッシュ(瞬間的な急落)」によるパニックが、壊滅的なビットコイン価格の見通しを引き起こしている。

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ビットコインの価格が下落、金は最高値

ビットコイン価格は、過去最高値である約12万6000ドル(約1900万円。1ドル=150円換算)から、米国記事執筆現在では10万8000ドル(約1600万円)を下回るまで下落し、約15%の下げ幅を記録した。一方、金価格は史上最高値を更新している。

ドル不信とデベースメント・トレードが継続、ビットコインと金に資金が向かう

アナリストらは、ドルの崩壊と金融危機が差し迫っていると警告しており、ビットコインはその影響下にあるとされている。

金の強気派として知られる投資家のピーター・シフはビットコインに批判的な人物としても有名だが、その彼はX(旧ツイッター)にこう投稿した。「今年、これまでに金は64%上昇し、銀は87%上昇している。これを見てもなお、ドルの崩壊や金融危機の前兆ではないと思うなら、現実を否定していると言わざるを得ない」。

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過去12カ月間で、ビットコイン価格は金と同じように上昇しており、いわゆる「デベースメント・トレード(法定通貨の価値毀損を予測した投資戦略)」の一環として、トレーダーたちは金、銀、そしてビットコインといった資産に資金を移している。これは、紙幣増刷やインフレによってドルの購買力が下がることへのヘッジ手段とされている。

10月初旬、金融大手シタデルのケネス・グリフィンCEOは、ドルの「世界的安全資産」としての地位に対して深刻な警告を発した。

「私たちはドル以外の資産で顕著なインフレを目にしている。人々はドルからの脱却、あるいは米国のソブリンリスクを回避する方法を探している」と彼は述べ、「金は史上最高値にあり、暗号資産など、ドルの代替資産は信じられないほど上昇している」と付け加えた。

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翻訳=江津拓哉

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