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2025.10.20 09:00

カザフが対ロ制裁の履行に本腰か 中国からのトラック多数が国境で滞留との報道

カザフスタンのトカエフ大統領(右)とロシアのプーチン大統領。2024年11月27日、アスタナ(Contributor/Getty Images)

RFE/RLによると、ウズベキスタンはカザフスタンとトルクメニスタンからの燃料輸入を増やし、調達先を多角化している。カザフスタンは国内の需要を確実に満たすため、石油製品の一時的な輸出禁止措置を講じた。域内でトルクメニスタンだけは、巨大な石油・天然ガス埋蔵と国家による生産統制のおかげで、ほとんど影響を受けていない。現地メディアのカスピアン・ポストによれば、キルギスはロシア側に対して優遇価格で燃料を年内に追加供給するよう要請しており、それにはディーゼル燃料10万トンや航空燃料6万トンが含まれる。キルギスは燃料の9割超をロシアに依存している。

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だが、ロシアが自国の燃料需要を賄うのにすら四苦八苦するなか、中央アジア各国はエネルギーのロシア依存を見直す動機が強まっている。ウクライナが勢いを維持すれば、近隣諸国はロシアの地域的影響力の減退に応じて、ロシアとの関係を再調整し始める可能性がある。

ロシアと西側の間で微妙なバランスをとる中央アジア

ウクライナメディアのキーウ・インディペンデントによると、トカエフは昨年9月16日、アスタナを訪問したドイツのオラフ・ショルツ首相(当時)に「ロシアを軍事的な意味で敗北させることはできない」と語った。とはいえ、ウクライナは2025年を通じて技術的な強みにさらに磨きをかけ、ロシアの戦費を支える石油収入に大きなダメージを与えることを狙ったドローン作戦を展開している。

安全保障アナリストのスマートはこう述べている。「ウクライナのドローン攻撃はロシアの空がもはや安全でないことを白日のもとにさらし、ロシアに屈辱を与えました。中央アジアの指導者たちは、他国はおろか自国すら守れない、衰退する大国を目にしているのです」

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ウクライナのUNITED24メディアによると、トカエフは9月、第80回国連総会に合わせてニューヨークでウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領とも会談した。両大統領は象徴的にあえて英語で話し、ゼレンスキーはカザフスタンによるウクライナの主権支持に謝意を伝えた。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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