2位 スペイン
2024年の外国人旅行者数:9400万人
アンダルシア地方に残るムーア人の王の宮殿から、バルセロナに建つモダニスト建築の傑作まで、スペインはどこをとっても野外ミュージアムのようだ。
見渡す限りのオリーブ畑、ごつごつとした岩肌を見せる山並み、黄金色に輝き、果てしなく続く海岸線などを思い浮かべほしい。抜群の透明度を誇るバレアレス諸島の入江から、ガリシア地方の息を呑む断崖絶壁まで、魅力的な場所にはこと欠かない。
首都マドリードを訪れて大通りをそぞろ歩き、ワールドクラスのギャラリーをめぐったら、居心地の良いタベルナ(居酒屋)に入り、タパスやベルモット(フレーバードワイン)を楽しむのもいいだろう。一方、イベリア半島北東岸にあるバルセロナも、ガウディの独創的な建築や、ビーチサイドで繰り広げられるナイトライフの喧騒など、独特の輝きを帯びている。
さらに南を目指し、グラナダやセビリアに向かえば、ランタンで照らされた中庭にフラメンコが響き、オレンジの花の香りが漂って旅行者を誘う。
さらにこの国では、美食はもはや宗教の域に達していると言っていいだろう。旨みたっぷりなスペイン特産の生ハム「ハモン・イベリコ」や、バルセロナ名物のジャガイモ料理「パタタス・ブラバス」、新鮮な海産物で作る炊き込みご飯「パエリア」などが有名だ。こうした料理を、リオハ産の高級ワインや、すっきりしたアルバリーニョ種の白ワインと楽しもう。
また、にぎやかな祝祭に関して言えば、スペインにかなう場所はまずないだろう。バレンシアのトマト祭りや火祭りなどの祭典は、燃え盛るエネルギーとカオスに満ちていて、人生を心から楽しむスペインの気質を改めて教えてくれる。
3位 米国
2024年の外国人旅行者数:7240万人
大西洋岸から太平洋岸まで東西に広がる米国は、目もくらむほどのコントラストが特徴だ。ドライブスルーのダイナーと、ミシュランで星を獲得する高級レストラン。ロデオと、ブロードウェイのミュージカル。そのすべてが、50州が織りなすこのタペストリーに共存している。
ニューヨークでは、そびえ立つ摩天楼やワールドクラスの美術館、流行の先端をいくブルックリンや歴史が息づくハーレムといった、個性豊かなネイバーフッド(5つの行政区内の特徴ある近隣住区)と隣り合っている。
西海岸も、カリフォルニア州の陽光がまぶしいビーチや、テック業界の活気に満ちたシリコンバレー、古き良き映画の魅力を今に伝えるロサンゼルスと、魅力が満載だ。
自然を愛する旅人にとっても、米国は格好の行楽地だ。太平洋岸北西部の霧が立ち込める森でハイキングを楽しんだり、先史時代に起源を持つ雄大なグランド・キャニオンの眺めに驚嘆したり、イエローストーンで間欠泉めぐりをするのもいいだろう。また南部に向かえば、ナッシュビルのホンキートンク・ミュージックから、いつもジャズが流れているニューオリンズの街角まで、人の魂を揺さぶるような音楽の鼓動を感じられるだろう。
4位 イタリア
2024年の外国人旅行者数:6850万人
陽光まぶしいアマルフィ海岸の崖。トスカーナ地方の丘陵地帯に広がるブドウ畑。雪に覆われたドロミテの山地など、イタリアは常に人を引きつけてやまない。この国では、芸術と歴史、美食とロマンスが渾然一体となっている。
ローマを訪ね、コロッセオからバチカンへとそぞろ歩けば、古代遺跡の隣にバロック様式の噴水がある光景が目に入る。一方、ベネチアでは、霧にけむる運河や、彼方にぼんやりと見えるパラッツオ(邸宅)が作り出す街が、夢のようなかげろうの中に浮かび、郷愁と優雅なムードを醸し出す。
北に進路を取ってミラノに向かえば、この街のモダンさと高級ファッションに夢中になるはずだ。フィレンツェを訪れれば、ルネサンス期から続く壮麗な雰囲気や、ワールドクラスのギャラリーに驚かされるだろう。
美味しい食事に目がないグルメなら、ピエモンテの丘陵地帯名産の口当たりが滑らかなワイン「バローロ」を楽しむのもいいし、ボローニャで、手打ちパスタをフォークでくるくると巻いて味わうのもいいだろう。また、シチリア島の丸石を敷き詰めたピアッツア(広場)で、職人の技が光るクリーミーなジェラートを味わうのもおすすめだ。


