北米

2025.10.18 13:17

米国の大学キャンパス、今秋の国際学生数が減少

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複数の報道によると、米国全土の様々な大学キャンパスにおける留学生数は今秋学期、全般的に減少しているようだ。この減少は、ビザ面接の一時停止、領事館の予約枠の制限、そして全般的に歓迎されない言説など、トランプ政権の不安定なビザ政策により、広く予想されていたものである。

NPRによると、大幅な減少が見られる大学の一つはシンシナティ大学で、大学院レベルの留学生の入学者数が25%減少した。学部生を含めると、インドからの学生数だけで約33%減少している。

同様に、デンバー大学も今秋学期の留学生入学者数が急激に25%減少したと報告している。

「この傾向はしばらく前から見えていました」と同大学の国際化担当副学長ウッティヨ・レイチョードゥリ氏は9News Denverに語った。「現在、ビザの予約を待っている学生がいます。彼らは予約を待っていますが、いつ予約が取れるのかわかりません」

バッファロー大学とミズーリ州立大学も減少

NPRの報道によると、バッファロー大学は主に大学院レベルとSTEM分野で、留学生が約15%減少している。同様に、ミズーリ州立大学(MSU)も留学生の入学者数が16%減少した。

スプリングフィールド・デイリー・シチズンに掲載された意見記事で、MSUの前学長クリフ・スマート氏は、留学生は州内の学生よりもかなり多くの授業料を支払うため、彼らの数が減少すれば財政的な課題が生じると述べた。

「留学生の入学者数が急激に減少すれば、ミズーリ州立大学にとって大きな財政的打撃となるでしょう。留学生は通常、州内学生の授業料の少なくとも125%を支払うからです」とスマート氏は述べ、1200人の留学生が年間1200万ドル以上の授業料収入を大学にもたらしていると付け加えた。

アリゾナ州立大学は、2020年以来初めて今秋学期の留学生入学者数が減少している一方、マサチューセッツ州では今年、新規留学生が1万人減少すると予測されている。テキサス大学アーリントン校は40%の減少を予測している。

一部の大学は留学生数を維持するも見通しは悲観的

トランプ政権との一連の衝突にもかかわらず、コロンビア大学は今学期の留学生入学者数は安定していると述べている。プリンストン大学も同様に、留学生の入学者数は安定していると示している。

しかし、高等教育セクターの見通しは依然として強い悲観論が続いている。NAFSA(国際教育者協会)とJBインターナショナルによる分析によると、米国は今秋の留学生入学者数の急激な減少により、地域経済活動で最大70億ドルの損失を被る可能性がある。

フィナンシャル・タイムズが発表した試算によると、留学生の入学者数が10%減少すると、米国の大学は30億ドルの収入を失う可能性がある。そのうちの約3分の1、約9億ドルは授業料収入の損失によるものだ。

既存の課題に加えて、ジョセフ・エドロー氏の米国市民権・移民局長官としての就任が業界の注目を集めている。エドロー氏はOptional Practical Training(OPT)就労制度を通じて留学生が卒業後の就労機会を追求する能力を解体しようとしていることを示唆しているからだ。近年、OPTは海外から米国への留学生を引き付ける強力な要因となっており、OPTを通じて就労する留学生卒業生の数も大幅に増加している。

forbes.com 原文

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