ファビングがふたりの関係に与える影響
研究チームは、過去の研究で長年示唆されてきたように、電話というごく普通のものがカップルの親密さにどのような持続的なダメージを与えるのかに大きな関心を寄せた。そして新型コロナのロックダウン中に一緒に隔離生活を送っていた51組のカップルを調査し、以下の3つの重要な要素を調べた。
1. パートナーがどれくらいの頻度でファビングしたと感じたか
2. 最近どれだけ愛情が不足していると感じていたか
3. その時点で自分たちの関係にどれだけ満足していたか
ファビングの行為に関しては、パートナーが会話中にスマホを見る頻度、あるいは間が空いたときにスマホをチェックする頻度について尋ねた。一方、愛情不足については、パートナーから十分なハグや笑顔、優しい言葉をもらっていると感じるかどうかを尋ねた。
結果は驚くほど単純明快だった。パートナーがファビングすることが多い人ほど愛情不足を感じていた。結果としてこの愛情不足は関係の満足度の低下とも関連していた。
常態化すると、お互いに感情的に無視されていると感じるようになる
単純化すると、これらの調査結果は、ファビングは必ずしもはっきりとカップルの関係を直接壊すものではないことを示唆している。むしろ、その影響は間接的なものであり、それが常態化すると感情的に無視されていると感じるようになるということだ。
だが最も印象的な発見は、愛情不足の影響が及ぶのはファビングされた側の満足感だけにとどまらないということだった。間接的に、ファビングする側の満足感にも関係していた。言い換えると、どちらかの感情的な無視は関係全体に波及するほど重大なものだった。
おそらく、こうした図式により事態は自動的に展開されていく。カップルの片方が常に相手にファビングされていると感じれば、同じように自分も相手と距離を置き始めるかもしれない。自分から愛情を注がなくなり、苛立ちをかすかに防衛的に示すようになる。相手はおそらくこの変化に気づき、同じようにイライラしたりよそよそしくなったりする。
何回かの注意散漫がやがて怒りのこもった「関わり拒否」の応酬になる。
意図的でない無視が、感情面で深刻な影響をもたらす可能性
だが悲劇なのは、それが意図的に始まるとは考えにくいことだ。注意が向けられていないとパートナーが感じるようわざわざ仕向ける人はいない。しかし、この研究結果が示唆するように、意図的でない無視であってもそれが常態化すれば感情面で深刻な影響をもたらす可能性がある。


