下記にFermiの上場によって生まれた2人のビリオネアと、著名なセンチミリオネア(資産が1億ドル[約150億円]以上の富豪)を紹介する。
トビー・ノイゲバウアーとその家族
Fermi Americaの持分:60億ドル(約9000億円)
トビー・ノイゲバウアーが30代に入った頃の2003年に、父親のランディ・ノイゲバウアーはテキサス州第19選挙区の連邦下院議員としてワシントンに赴任した。ニューヨーク大学を卒業したトビーは、1998年にヒューストン拠点のエネルギー系プライベートエクイティ企業クアンタム・エナジー・パートナーズを共同創業して2014年まで経営に携わり、テキサス州の有名なバーネット・シェールガス鉱区への投資を手がけた。その後、投資銀行クレストモア・アドバイザーズを共同設立して会長を務め、さらにダラス拠点の投資会社ドラド・キャピタル・パートナーズやバンザイ・キャピタル・グループのパートナーとして活動したのち、Fermiを立ち上げた。
ノイゲバウアーはまた、2021年1月に立ち上げたフィンテック企業GloriFi(グロリファイ)のCEO兼エグゼクティブチェアマンを務めたが、同社は短命に終わった。GloriFiは「反ウォーク」を掲げる金融スタートアップで、2021年11月にはバイオテック投資家で元大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミやヘッジファンドの大物ケン・グリフィン、パランティア共同創業者のジョー・ロンズデール、ピーター・ティールのファウンダーズ・ファンドなど、共和党系のビリオネアや実業家から総額5500万ドル(約82億5000万円)を調達した。だが翌年には経営が行き詰まり、2023年2月に破産を申請した。
ノイゲバウアーは現在、元共同経営者や出資者たちを相手取り、「スタートアップを意図的に妨害された」として訴訟を起こしている(被告側は主張を否定しており、この訴訟は破産手続きに関連して一時停止中だが、係争自体は継続している)。
彼は、Fermiの持ち分を保有するほか、メジャーリーグサッカー(MLS)のオースティンFCの共同オーナーであり、全長約55メートルのヨット「パーパス」と、ホワイトハウスを模して建てられた約1500平方メートルの邸宅「ホワイトハウス・オブ・ダラス」を所有している。
グリフィン・ペリー
Fermi Americaの持分:23億ドル(約3450億円)
ノイゲバウアーと同様に政治家の父を持つグリフィン・ペリーは、2012年に石油・ガス投資会社Caddis Energy(キャディス・エナジー)の社長に就任し、翌2013年にはエネルギー分野の投資に特化したGrey Rock Investment Partners(グレイ・ロック・インベストメント・パートナーズ)を共同創業した。現在、同社の運用資産は10億ドル(約1500億円)を超えている。
共和党の伝統的な路線とは一線を画すグレイ・ロックは、自社の公式サイトで、温室効果ガス排出の削減に取り組む機会を模索し、「あらゆる事業判断においてESG(環境・社会・ガバナンス)要素を統合している」と明記している。ペリーはまた、上場企業である化石燃料の探査・生産会社Granite Ridge Resources(グラナイト・リッジ・リソーシズ)の取締役を務めており、約600万ドル(約9億円)相当の同社株を保有している。
リック・ペリー
Fermi Americaの持分:5億4000万ドル(約810億円)
テキサス州議会の議員から同州知事へと上り詰めたリック・ペリーは、米国人の間では2度の大統領選での落選で最も知られている人物だ。政府監視団体オープンシークレッツの分析によれば、彼が最後に出馬した2016年の時点で提出した財務開示書には、資産が「90万ドルから220万ドル(約1億4000万~約3億3000万円)の範囲」と記載されていた。
その年の大統領選でドナルド・トランプが勝利すると、ペリーはトランプ政権のエネルギー長官に任命されたが、在任中に資産が大きく増えたわけではなかった。ペリーは同年、政権を離れ、ビリオネアのケルシー・ウォーレンが共同創業した時価総額590億ドル(約8.9兆円)規模の天然ガス・パイプライン企業エナジー・トランスファーの取締役に就任した。現在、ペリーは同社の株式18万8254株(時価300万ドル[約4億5000万円]超)を保有しているほか、テキサス州ラウンドトップの郊外に約610平方メートルの邸宅を持ち、さらにFermiの持分を2.5%保有している。


