リッチリスト

2025.10.20 13:00

売上ゼロ・顧客ゼロでも時価総額3兆円──AIブームが電力と土地に拡大、2人の億万長者が誕生

Photo Illustration by Thomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

「プロジェクト・マタドール」で11ギガワット計画、26年末に1.1ギガワット稼働

しかし、投資家たちはテキサス州アマリロの「プロジェクト・マタドール」と呼ばれる約2120万平方メートルの敷地を中心とするFermiの事業計画を高く評価しているようだ。同社はここで天然ガスや原子力、太陽光発電を組み合わせ、最終的に最大11ギガワットの電力供給を実現することを目指しており、地元の電力会社と連携して、2026年末までにそのうち1.1ギガワットを稼働させる計画だ。ここから生まれる電力は、同敷地内に今後建設予定のデータセンター群に供給される。

advertisement

「迅速な電力供給スケジュールこそが当社の最大の差別化要因であり、AI向けデータセンターの計算需要に対応するため、短期間で大規模かつ安定した電力を求めるテナントを惹きつけることができると確信している」と、Fermiは目論見書で述べている。同社は、テキサス工科大学が所有するこの土地を99年間のリース契約で借り受けている。

当面は天然ガスを採用、将来は原子力と太陽光に移行する計画

Fermiは将来的に原子力と太陽光によってデータセンターの大部分を稼働させる計画だが、当座のところは、テネシー州メンフィスで建設中のイーロン・マスクのxAIによる巨大データセンター「コロッサス」と同様に天然ガスに依存する方針だ。Fermiは9月、同敷地向けに1.1ギガワットを発電する3基のガスタービンを購入するため、シーメンス・エナジーと意向書(LOI)を締結した。

この契約には、フェルミとシーメンスが原子力蒸気タービンの開発で協力し、それを同敷地内に建設予定のウェスティングハウス製原子炉4基に組み込む計画も含まれている。2017年から2019年にかけてトランプ政権下でエネルギー長官を務めたペリーは、原子力発電の強力な推進派として知られている。

advertisement

「中国は現在、22基の原子炉を建設中だが、アメリカはゼロだ」と、ペリーはFermiの公式サイトに掲載された声明の中で述べている。「われわれは後れを取っている。いまこそ総力を挙げる時だ。この競争に勝つために、あらゆる手段を尽くさなければならない。なぜなら、これは本当に勝つべき競争だからだ」

トランプの名を付けた敷地で訴求

Fermiの共同創業者たちは、この競争でトランプが彼らを勝利に導いてくれると信じており、アマリロのマタドール敷地に「ドナルド・J・トランプ大統領先進エネルギー・インテリジェンス・キャンパス」という名称を付け、公式サイトにはトランプが大統領令に署名する映像を掲載している。シーメンスとの提携を発表したプレスリリースの中で、ペリーは同社のデータセンターをトランプの「エネルギー支配政策」の好例として挙げた。

「世界のエネルギー競争をトランプ大統領ほど理解している人物はいない」と、ペリーは声明で述べている。トビー・ノイゲバウアーも同様に賛辞を送り、「アメリカがこの競争に勝つために、われわれのような企業が前進できる環境を整えてくれた大統領の強力なリーダーシップと行動に感謝したい」と語った。

次ページ > Fermiの上場によって生まれたビリオネア

翻訳=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事