経営・戦略

2025.10.24 12:00

「ステークホルダー資本主義ランキング」2025年度版、社会性と事業性の「好循環」で勝つ

16|ダイフク

総合スコア:75.74 地球(自然資本):89.56 従業員:71.61 

サプライヤー・地域:73.72 株主:83.30 顧客・消費者:60.51

保管・搬送システムなどの物流関連機器をグローバルで展開。2024年12月期の連結決算売上高は5632億円。営業利益は715億円、純利益は570億円(決算期変更の経過期間のため対前期増減率は無記載)。

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評価ポイント|気候変動、資源循環、自然共生を重点領域に設定。気候変動領域では、2024年5月に30年のScope1・2削減目標を上方修正した。環境省の「自然共生サイト」(民間の取り組みなどにより生物多様性の保全が図られている区域)に認定された「結いの森」では森林と希少種の保全を推進。

17|ヤクルト本社

総合スコア:75.49 地球(自然資本):83.34 従業員:83.59 

サプライヤー・地域:73.90 株主:64.48 顧客・消費者:72.12

乳酸菌飲料「ヤクルト」を中心に、食品や医薬品の製造・販売を手がける。2025年3月期の連結決算売上高は4996億円(前年比0.7%減)。営業利益は553億円(同12.6%減)、純利益は455億円(同10.7%減)。

評価ポイント|「人々の健康に貢献する」という理念の実現には従業員の健康が不可欠との考えから、「心身の健康保持・増進」と「安全・安心な職場環境づくり」を推進。健康経営推進課が全従業員に健康調査を実施し、施策の改善に役立てている。従業員と社会双方の健康を支える取り組みが高評価。

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18|任天堂

総合スコア:75.48 地球(自然資本):71.89 従業員:82.46 

サプライヤー・地域:84.98 株主:79.15 顧客・消費者:58.90

「Nintendo Switch」や「スーパーマリオ」で有名なグローバル企業。2025年3月期の連結決算売上高は1兆1649億円(前年比30.3%減)。営業利益は2825億円(同46.6%減)、純利益は2788億円(同43.2%減)。

評価ポイント|自社工場をもたないファブレス型生産モデルで国内外の生産パートナーと連携し、サプライチェーン全体でCSR活動を推進。調達ガイドラインに基づき、公平な購買と責任ある鉱物調達で強制・児童労働を排除。書面調査や現地の現状把握を行い、改善のためのフォローアップも実施。

19|日本特殊陶業

総合スコア:75.41 地球(自然資本):72.42 従業員:83.75 

サプライヤー・地域:74.46 株主:82.49 顧客・消費者:63.96

自動車用プラグや排気系センサーで世界シェア1位。2025年には新会社「Niterra電力」を設立。25年3月期の連結決算売上高は6529億円(前年比6.3%増)。営業利益は1296億円(同20.5%増)、純利益は926億円(同12.1%増)。

評価ポイント|フレックスタイムや時間単位休暇、遠隔地勤務制度などを通じて多様な働き方を推進。副業制度を導入し、従業員が社外での経験を通じて新たな人脈を獲得したり、主体的なキャリアを形成したりできる環境を整備。柔軟性と自律性を重視する仕組みがスコアに好影響をもたらした。

20|豊田通商

総合スコア:75.29 地球(自然資本):81.74 従業員:73.94 

サプライヤー・地域:79.65 株主:75.55 顧客・消費者:65.54

トヨタグループの総合商社。自動車関連を中心に幅広い分野で事業を展開。2025年3月期の連結決算売上高は10兆3095億円(前年比1.2%増)。営業利益は4971億円(同12.6%増)、純利益は3625億円(同9.4%増)

評価ポイント|2050年カーボンニュートラル実現に向けて10年間で総額2兆円規模の投資を実行し、うち半分を再エネやエネルギーマネジメント分野に充当する予定。本部横断で組成した5つのワーキング・グループがネットワークを結集し、事業機会と環境課題を結び付ける戦略的アプローチを展開。

解析・評価=サステナブル・ラボ(ジャッキー・ヤン) イラストレーション=ジャック・ハドソン

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