経営・戦略

2025.10.24 12:00

「ステークホルダー資本主義ランキング」2025年度版、社会性と事業性の「好循環」で勝つ

11|ソニーグループ

総合スコア:77.69 地球(自然資本):84.32 従業員:80.98 

サプライヤー・地域:67.03 株主:82.52 顧客・消費者:73.62

電機メーカー。エンターテインメントや金融など多岐にわたる事業を展開。2025年3月期の連結決算売上高は12兆9570億円(前年比0.5%減)。営業利益は1兆4071億円(同16.4%増)、純利益は1兆1416億円(同17.6%増)。

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評価ポイント|オーディオ技術を応用した音響センシングで生物多様性調査を支援。ソニーの森に生息するフクロウ調査では、雨音や虫の音を除去してフクロウの鳴き声を抽出し効率的なモニタリングを実現。現在は都市緑地の生物調査プロジェクトを進め、環境技術の事業化を目指す。

12|双日

総合スコア:77.43 地球(自然資本):86.71 従業員:93.28 

サプライヤー・地域:68.33 株主:76.75 顧客・消費者:62.08

総合商社。エネルギー、金属、化学品、食品など幅広い分野で事業を展開。2025年3月期の連結決算売上高は2兆5097億円(前年比3.9%増)。当期利益は1141億円(同10.8%増)、純利益は1106億円(同9.8%増)。

評価ポイント|働きやすさと効率化を同時に推進。2022年4月に男女共通の産後育児休暇を導入し、子の1歳到達まで40日間を分割取得可能に。育児休暇・休業取得率は男女ともに高水準。24年2月には本社で生成AIツール「Sojitz AI Chat」を導入し、25年3月末時点で70%強の本社社員が利用。

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13|みずほフィナンシャルグループ

総合スコア:76.71 地球(自然資本):84.30 従業員:90.11 

サプライヤー・地域:50.30 株主:90.75 顧客・消費者:68.11

みずほグループ統括会社。傘下に銀行、証券、ノンバンクなどをもつ。2025年3月期の連結決算売上高は9兆303億円(前年比3.2%増)。経常利益は1兆1681億円(同27.7%増)、純利益は8854億円(同30.4%増)。

評価ポイント|中期経営計画の財務目標を1年前倒しで達成。株主還元の方針を見直し、収益基盤の着実な成長に基づき毎期5円を目安に増配する予定。業績や資本状況、株価や投資機会を勘案しながら総還元性向50%以上を目安に自己株式の取得を実施するなど、成長と還元の両立を進める。

14|日本航空

総合スコア:76.58 地球(自然資本):76.56 従業員:93.22 

サプライヤー・地域:77.02 株主:63.11 顧客・消費者:73.00

日本を代表する航空会社のひとつで、国内外の航空路線を運航。2025年3月期の連結決算売上高は1兆8440億円(前年比11.6%増)。当期利益は1126億円(同17.4%増)、純利益は1070億円(同12.0%増)。

評価ポイント|従来の枠組みに縛られない人材登用を通じて自律的なキャリア形成を支援。航空・非航空問わず社内公募の枠を拡大し、2024年度はグループ全体で100人の異動を実施した。挑戦意欲が高い社員を成長戦略分野に登用し価値創造を促進するなど、多様な人材が力を発揮できるよう整備。

15|アステラス製薬

総合スコア:76.37 地球(自然資本):93.03 従業員:65.70 

サプライヤー・地域:78.40 株主:76.66 顧客・消費者:68.06

グローバルで医薬品の研究、開発、製造・販売を手がける大手製薬会社。2025年3月期の連結決算売上高は1兆9123億円(前年比19.2%増)。営業利益は410億円(同60.8%増)、純利益は507億円(同197.7%増)。

評価ポイント|2024年度は水資源生産性が16年比で86%改善。廃棄物の発生量の改善率は45%、生物多様性指数は05年比で6.7倍に向上。製薬会社の基盤である水やエネルギーの利用を最適化し、医薬品供給の安定と地球環境保全を両立する環境戦略で持続的かつ社会的インパクトを創出。

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解析・評価=サステナブル・ラボ(ジャッキー・ヤン) イラストレーション=ジャック・ハドソン

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