経営・戦略

2025.10.24 12:00

「ステークホルダー資本主義ランキング」2025年度版、社会性と事業性の「好循環」で勝つ

6|小松製作所

総合スコア:78.78 地球(自然資本):86.70 従業員:76.55 

サプライヤー・地域:81.74 株主:84.61 顧客・消費者:64.31

1921年創立の建設機械国内大手。収益の向上とESGの課題解決の好循環を通じて持続的な成長を目指す。2025年3月期の連結決算売上高は4兆1043億円(前年比6.2%増)。営業利益は6571億円(同8.2%増)、純利益は4396億円(同11.7%増)。

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評価ポイント|自然資本への配慮を経営の柱のひとつに据え、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や水資源管理、生物多様性の保全などに取り組む。自社製品の低炭素化にも注力。CDP気候変動・水セキュリティ両部門では2022〜24年までAリストに連続選定された。

7|オリンパス

総合スコア:78.13 地球(自然資本):85.63 従業員:85.74 

サプライヤー・地域:75.98 株主:89.87 顧客・消費者:53.40

選択と集中を進め、医療分野を中心に事業を展開。内視鏡のシェアは世界首位を誇る。2025年3月期の連結決算売上高は9973億円(前年比7.7%増)。営業利益は1624億円(同216.2%増)、純利益は1178億円(同51.4%減)。

評価ポイント|2025年3月期は当初の見通しを上回る増収増益を達成。安定的な収益基盤を軸に、年間配当増を継続。500億円の自己株式の取得を決定するなど、事業の強化と積極的な株主還元を両立する戦略で持続的成長を目指す姿勢が評価された。

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8|日産化学

総合スコア:78.07 地球(自然資本):81.98 従業員:80.00 

サプライヤー・地域:71.83 株主:86.83 顧客・消費者:69.72

化学品、機能性材料、農業化学品、ヘルスケアの4つのセグメントで事業を展開。2025年3月期の連結決算売上高は2513億円(前年比10.9%増)。営業利益は568億円(同17.9%増)、純利益は430億円(同13.2%増)。

評価ポイント|2025年3月期は営業利益、経常利益、純利益が過去最高を更新。経営指標に掲げていた売上高営業利益率、ROE、、配当性向、総還元性向ともに当初の目標を達成。M&Aや新製品開発、現有事業の拡大などを通じて積極的な成長戦略を描く。

9|マツキヨココカラ&カンパニー

総合スコア:77.97 地球(自然資本):60.35 従業員:93.69 

サプライヤー・地域:70.82 株主:77.78 顧客・消費者:87.20

ドラッグストア「マツモトキヨシ」と「ココカラファイン」の統合会社。ヘルス&ビューティ分野で国内トップクラス。2025年3月期の連結決算売上高は1兆616億円(前年比3.8%増)。営業利益は820億円(同8.4%増)、純利益は546億円(同4.4%増)。

評価ポイント|従業員の成長をマテリアリティのひとつに位置づけ、人的資本と企業価値の向上を目指す。2025年3月期の従業員意識調査の分析では、「組織風土スコア」の向上が自社の収益力の向上にポジティブな影響を与えることを確認。

10|信越化学工業

総合スコア:77.78 地球(自然資本):73.61 従業員:65.11 

サプライヤー・地域:87.18 株主:85.44 顧客・消費者:77.58

塩化ビニル樹脂や半導体シリコンウエハーで高いシェアを誇る大手化学メーカー。2025年3月期の連結決算売上高は2兆5612億円(前年比6.1%増)。営業利益は7421億円(同5.9%増)、純利益は5340億円(同2.7%増)。

評価ポイント|CSR調達ガイドラインに基づいた、責任ある調達をサプライチェーン全体で推進。RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)への参加やパーム油のマスバランス認証取得、梱包材のリサイクル化プロジェクトなど環境配慮型の調達を強化している。

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解析・評価=サステナブル・ラボ(ジャッキー・ヤン) イラストレーション=ジャック・ハドソン

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