北米

2025.10.18 08:00

米政府閉鎖で脚光、口紅・男性下着・ビッグマック指数など「風変わりな経済指標11選」

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ADP雇用統計

対応する公式統計:非農業部門雇用統計

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給与計算サービスの米ADPは、民間部門の雇用増減を示す月次レポートを発表している。このデータは、米国の公的機関のBLSの雇用統計より2日早く公表されるのが特徴だ。しばしば方向が異なることもあるが、数百万人分にわたる労働者の実給与データに基づく点が支持を集めている。一方で批判者は、政府職員を含まないことや季節調整の方法が異なること、月ごとの変動が激しいことを指摘する。そのため公式統計と乖離することも少なくないが、雇用動向を先読みする指標としては依然有用であり、もし政府の雇用統計が一時停止されれば、その重要性はいっそう高まるだろう。

トゥルフレーション米国総合インフレ指数

対応する公式統計:消費者物価指数(CPI)

Truflation(トゥルフレーション)は、ブロックチェーン技術を用い、複数ソースのリアルタイム価格データからインフレ率を算出するプロジェクトだ。このデータの支持者は、日次で更新される点、政府の手法に依存しない独立性、CPIのような発表の遅延や後日の改訂を避けられる点を評価する。一方で懐疑的な見方も多く、データの出所が不透明な場合があること、算出対象の「物価バスケット」が公式統計と異なること、数値がCPIより高く出がちなことが指摘されている。これは必ずしも「真実のインフレ率」を示すというより、入力データの特性を反映している可能性が高い。このデータは、ShadowStatsChapwood Indexなど、かねてから存在する「CPI代替系」の統計と同様に、政府統計を疑う投資家層──とりわけ金(ゴールド)の投資家に根強い人気がある。その精度はいまだ議論の余地があるが、「公式統計は誤っている」とする系譜の最新バージョンといえる。

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ヘムライン指数

対応する公式統計:消費者信頼感指数、小売・個人消費動向

「スカートの丈が短いほど景気が良い、長いほど悪い」とする、きわめて単純な指標である。1920年代に最初に提唱されたこの説は、その後の景気循環のたびに何度も復活してきた。もちろん「ヘムライン局」のような公式機関が存在するわけではないが、ファッション誌やグーグルの検索データを用いれば、ある程度その傾向を読み取れる。GDPの予測に使うのは無理があるが、消費者心理を映す「ムード指数」としては、不思議なほど根強く信じられている。

夜間光・衛星画像データ

対応する公式統計:地域別GDP、生産指数

夜間に地球を撮影した衛星画像は、どの地域がどれだけ明るいかを示している。一般に、明るい地域ほど経済活動が活発だ。統計の信頼性が低い国では、このデータでGDP成長率を推計する研究も行われてきた。米国においても、地域経済データの裏づけとして利用できる可能性がある。NASA民間企業がこうした画像を公開しているが、解釈には一定の専門知識が必要だ。

その状況を人工知能(AI)が変えつつある。サンフランシスコ大学の経済学者アルマン・ハチヤンは「コンピューターはパターンの抽出が非常に得意だ」と語る。AIは、工業施設や公園などの地形的特徴を自動的に識別し、それを所得や人口変化と関連づけることができる。ハチヤンが共著したある研究では、高解像度の昼間の衛星画像と国勢調査のデータを使い、地域ごとの所得や人口変化を予測するニューラルネットワークを訓練した。その結果、このモデルは夜間光データによる分析を大幅に上回る精度を示し、機械学習が衛星画像から詳細な経済洞察を導き出せることを示した。

フォーブス超富裕層生活費指数(CLEWI)

対応する公式統計:消費者物価指数(CPI)

フォーブスは1982年から、グッチのローファーやキャビア、プライベートジェットといった超高級品の価格を追跡し、富裕層向けのインフレ率であるCost of Living Extremely Well Index(CLEWI:超富裕層生活費指数)を算出している。いわば米長者番付「フォーブス400」向け消費者物価指数(CPI)だ。2024年のCLEWIは前年比で4.7%上昇し、同年のCPI2.9%を上回った。この指数は広範なインフレ傾向を示唆することもあれば、単に一般人に「自分の食料品代が上がっているのも当然だ」と感じさせてくれる指標でもある。なぜなら、CLEWIは通常CPIを上回る動きを見せるからだ。

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翻訳=上田裕資

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