サイエンス

2025.10.18 18:00

「人気のある猫の名前」ランキングと、その社会・文化的背景

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ペットの名前にも、はやり廃りがある

2025年版のペット名ランキングを見ていると、10年前との大きな違いがいくつか見受けられる。例えば、2000年代や2010年代前半に猫の名前として多かった「シャドー(Shadow)」や「クロエ(Chloe)」は、今年も上位25位以内にランクインはしているものの、以前ほど人気ではない。その代わりに上位に入ったのは、もっと短くて人間にも使われているような名前だ。これもまた、時代の移り変わりを表す興味深い兆候といえる。

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ペットへの深い愛情ゆえに、私たちにはペットを擬人化し、動物というよりも家族の一員とみなす傾向がある。種の役割がこのように曖昧になったことが、かつては子どもの名前として多かった「チャーリー」や「ルーシー」「ベラ」という名前がペットにつけられるようになった理由の背景にあるのかもしれない。

この傾向は近年、行動学の研究でも十分に裏付けられている。多くの飼い主にとって、ペットとの感情的なつながりは、周囲の人間との関係と肩を並べるくらいに深いからだ(それより深い、とは言えないまでも)。

猫と犬の名前に込められた意味の違い

猫と犬の名前の間には興味深い共通性があり、それは偶然ではない。例えば、「ルナ」や「ベラ」「チャーリー」といった名前は、犬の名前のトップ10にもランクインしている。

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しかし、そこには微妙な差がある。犬の場合、「クーパー(Cooper)」や「ロッキー(Rocky)」といった、いかにも犬らしい伝統的な名前がつけられてきたが、人気の高い猫の名前ランキングには、どこにもそれらが見当たらない。これは、人間がいまだに犬と猫に対して異なる見方をしているという証拠かもしれない。

犬は、活発で忠実な友であり、「力強い」名前が必要だと考えられている。これに対して、猫は優雅で謎めいており、さらには高貴な存在としてもっと繊細で神々しい名前、あるいは神話的な響きのある名前がふさわしいと考えられている。

最も人気のある猫の名前ランキング10位の「ロキ」がその典型例だ。ロキは、北欧神話に登場するいたずら好きの神に由来する名前であり、猫は賢くて抜け目がなく、超然としているというイメージをとらえている。猫のこうした特性は、行動研究でも裏付けられている。猫は犬よりも、その場その場の状況を見ながら問題を解決する能力が高いことが示されている。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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