「バタフライ・ハグ」の手順
以下に手順を紹介しよう。オリジナルの手順に改変を加えたもので、仕事でどうしようもないと感じたり、仕事を抱えすぎたりした時のストレスを軽減し、難しいタスクに取りかかる前や、日々のルーティンの一部として実践できる。このシンプルなエクササイズには自己鎮静効果があり、健康とウェルビーイングと、仕事のパフォーマンスの向上に役立つ上に、デスクでも、車の中でも、ソファの上でも、ベッドのなかでもできる。
(1) 両腕を胸の前でクロスして、指先を反対側の肩に乗せる
(2) 蝶の羽ばたきを真似するつもりで、右手で左肩を、左手で右肩を、左・右・左のリズムで20秒間やさしく叩く
(3) 次に、小さな心配事、問題、悩みを思い浮かべる(友達からメッセージの返信がない、車のメンテナンスが必要だ、歯医者の予約を忘れた、など)。このとき、感情をかき乱される大問題を想像しないよう注意する
(4) 思い浮かべることが決まったら、再び腕を胸の前でクロスして、羽ばたくように手で肩を叩く(ステップ1・2の繰り返し)
(5) 次に、手で肩を叩くのを続けつつ、頭を右に向け、何か1つのものに視線を固定する。見るものは何でもいい。壁でも、絵画でも、カーペットでも、自然のなかの何かでも。何かに視線を固定したら、その物体の細部に注目して、約20秒間観察する。形、大きさ、色を意識し、心の眼でできるかぎり鮮明に細部を捉える
(6) 今度は左を向き、また何かを20秒間じっくり観察する。物体の細部をできるだけたくさん記憶する。この間も、蝶の羽ばたきのように、手で肩を叩きつづける
(7) 再び右を向き、また別のものに視線を固定して、形、色、サイズといった、あらゆる細部に目を凝らす
(8) 最後に、再び左を向き、また別の対象を見つけて細部に集中し、約20秒間観察する
エクササイズが終わったら、心配ごとや悩みを思い出してみよう。最初のうちは、悩みが何だったか思い出せなかったり、時間がかかったりするかもしれない。思い出したときには、エクササイズをする前ほど、自分がその悩みに影響されておらず、落ち着いた気分であることに気づくだろう。でも、それは一体なぜなのか?


