約158億円のシード資金を調達、Genesis AI
2社目は「フルスタック・ロボティクス」を掲げるGenesis AI(ジェネシスAI)だ。フォーブスが入手した資料によると、同社は今年初めコースラ・ベンチャーズやエリック・シュミットなどから1億500万ドル(約158億円)のシード資金を調達した。Genesis AIは、脚の代わりに車輪で移動するタイプの両腕を持つ人型ロボを開発している。テスラの「オプティマス」など現在開発中の他の人型ロボよりも、安価で軽量、そして安全な製品の実用化を目指している。
同社CEOのジョウ・シアンはフォーブスに対し、ハードウェアをゼロから自社開発するのではなく、外部のハードウェアベンダーと協力してカスタムロボットを製造していると説明した。そのうえで彼は、同社の主な焦点が「それらロボットを制御するソフトウェアモデルの訓練」にあると述べた。
人間の代わりに動ける人型ロボの実用化を目指す
Rhoda AIとGenesis AIは、工場の生産現場での産業用途や、洗濯物をたたむといった家庭内作業など、人間の代わりに動ける人型ロボの実用化を目指して、多額の資金を集める新興企業の仲間入りを果たした。こうした人型ロボ分野は近年投資家の関心を集めており、Figure AI(フィギュアAI)は9月に評価額390億ドル(約5.9兆円)で10億ドル(約1500億円)超を調達したと発表した。ほかにも、テスラが人型ロボ「オプティマス」を開発しているほか、ノルウェーのロボットメーカー1Xも10億ドル(約1500億円)規模の資金調達を進めていると報じられている。
この分野はまだ立ち上がったばかりであるにもかかわらず、期待は高まっている。エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは今年、「人型ロボは将来、史上最大級の産業の1つになる可能性がある」と語った。また、テスラのイーロン・マスクCEOも繰り返し、「オプティマス」事業が最終的にはテスラで最も価値ある部門になると述べている。しかし、実際には同社の生産数はごくわずかにとどまっており、この部門は依然として技術的・生産的な課題に直面していると報じられている。
「この分野はまだ商業化に向けた準備が整っていない」
一方で、一部の投資家は「この分野はまだ商業化に向けた準備が整っていない」と警鐘を鳴らしている。
ハードウェア系スタートアップへの投資を行うRoot Ventures(ルート・ベンチャーズ)のゼネラルパートナー、ケイン・シエはこう語る。「大規模言語モデル(LLM)の成功を受けて、投資家たちはロボティクスを“次の大波”と見ており、それが過剰な熱狂を生んでいる。しかし、私が奇妙だと感じるのは、有望な研究でしかないものが、いきなり1億ドル(約150億円)規模のシードラウンドに進んでいる点だ」と彼は続けた。


