モビリティ

2025.10.17 08:00

自動運転ウェイモ、英ロンドンで来年「ロボタクシー」提供開始へ

2025年9月11日、カリフォルニア州サンフランシスコを走るWaymoの車両(Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images)

2025年9月11日、カリフォルニア州サンフランシスコを走るWaymoの車両(Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images)

アルファベット傘下のウェイモは、米国内で少なくとも6都市で新たに無人の乗車サービスを開始する予定だ。並行して、海外展開も計画している。

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ウェイモのロボタクシー、2026年英にロンドンでサービス開始を計画

ウェイモは2026年、英ロンドンで有料の無人タクシー(ロボタクシー)サービスを開始する計画を明らかにした。このサービスは、運転席に安全確認のための人間のドライバーを同乗させない完全自動運転型となる。ウェイモはこの取り組みを通じて、自動運転分野における世界的リーダーの地位を確立しようとしている。

カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くウェイモは10月15日、2026年中に英ロンドンで電動SUV「ジャガーI-PACE」を使った車両群の運行を開始すると発表した。このサービスでは、通勤者はアプリを通じて車両を呼び出せる。現地での車両整備と運行管理は、アフリカ発のモビリティ系フィンテック企業Moove.io(ムーブ)が担当する。ウェイモによると、Mooveは現在フェニックスで同様の業務を担っており、近くマイアミでも担当する予定だ。

米国では提供都市を拡大、東京でのテスト継続

ロボタクシー業界のリーダーであるウェイモは、サービスの提供地域を拡大する準備を進めている。現在のフェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オースティン、アトランタの5カ所に加え、今後はマイアミ、ワシントンD.C.、ダラス、デンバー、ナッシュビル、ニューヨークの6カ所にも展開する予定だ。同社は現在、週あたり数十万件の有料乗車を提供しており、東京でもテスト走行を実施しているが、正式なサービス開始時期をまだ発表していない。

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共同CEOのテケドラ・マワカナはブログの投稿で、米国内での長年の公道試験と運行実績に基づくウェイモの安全記録を強調した。同社によると、ロボタクシーが関与する人身事故は人間のドライバーに比べて5分の1であり、歩行者との衝突による負傷事故も大幅に少ないという。「私たちは完全自動運転のライドシェアを、責任ある形で拡大できることを実証してきた」とマワカナは述べた。

パートナーのMoove、約1812億円調達でウェイモとの連携を強化

16年間の技術開発を経て、事業規模を一気に拡大しようとしているウェイモは現在転換点にある。また、同社のロンドンへの進出は、Mooveにとっても大きな節目となる可能性がある。ナイジェリアのラゴスに本社を置くMooveは、世界19都市でライドシェア向けに計3万6000台の車両を運行している。ウーバーが一部を出資する同社は、当初はドライバーが乗車収入で車両を分割購入できる仕組みを提供することから事業を始めた。現在では、ロボタクシーを含む世界最大級のライドシェア車両群の構築を目指している。

この動きを裏付けるように、ブルームバーグは今年7月、Mooveが米国内での事業拡大に向けてウェイモの車両を購入する資金の一部として、12億ドル(約1812億円)の資金調調達を進めていると報じていた。

Mooveの共同創業者兼共同CEOであるラディ・デラノは、「私たちは、ウェイモの安全で信頼性の高い自動運転技術がロンドンで利用可能になり、都市の移動を変える未来に大きな期待を抱いている」とメールで期待を示した。「この提携は、都市型モビリティの進化における大きな一歩であり、世界有数の都市に世界最高水準のイノベーションをもたらすものだ」。

英国政府が6月、自動運転車の公道試験を正式に承認

ウェイモのロンドン進出は、まったく予想外というわけではない。先月には、同社が現地スタッフの採用を開始したと報じられていた。また6月には、英国政府が安全確認要員を乗せない自動運転車の公道試験を正式に承認していた。ロンドンを拠点とするウェイモの競合企業Wayve(ウェイヴ)も、ウーバーと提携し現地で無人車両のテストを行っている。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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