経営・戦略

2025.10.15 10:00

オラクルがAMD製チップを「数万個規模で採用」、エヌビディアへの挑戦状

Costfoto/NurPhoto via Getty Images

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オラクルのクラウド事業は米国時間10月14日、AMDの最新AIチップを数万個規模で導入すると発表した。これは、AIインフラ需要の拡大を背景に両社の長年にわたる提携を拡大するものであり、エヌビディアとの競争をさらに深める動きとなる。

オラクルのクラウド部門であるオラクル・クラウド・インフラストラクチャーは、AMDが今年初めに発表した次世代AIチップのInstinct MI450を、2026年第3四半期から導入開始する予定だ。両社は声明で、2027年以降も提携をさらに拡大していく計画であると述べた

オラクルとAMDのいずれも、この契約の金銭的条件については明らかにしていない。

両社は、「次世代AIモデルが現在のAIインフラの限界を上回る」との共通の予測のもと、今回の提携にいたったという。

この発表後、AMDの株価はプレマーケット取引で2.2%上昇した一方、オラクルの株価は1.4%下落した。

AMDとオラクルの提携拡大は、AMDが先週発表したオープンAIとの数十億ドル規模の契約に続くものである。この契約の一環として、オープンAIはAMDのAIチップを合計6ギガワット分調達、導入する予定であり、まず2026年に1ギガワット分の導入から開始する。さらに、AMDはオープンAIに対し、最大1億6000万株分のワラントを発行する。これは、AMD株式の10%相当を1株あたり0.01ドルで取得できる権利であり、一定の株価目標が達成された段階で権利が確定する。両社とも契約の正確な金額は開示していないが、AMDはこのオープンAIとの提携により「数百億ドル規模の収益」が見込めると述べている。AMDの株価はこの発表で、30%超上昇した。

AIインフラ需要が急増する中、ここ数カ月で大規模な設備投資が相次いでいる。今回のオラクルとAMDとの提携は、オラクルが先月オープンAIと締結した別の提携にも続くものである。この提携では、オープンAIが2027年からおよそ5年間で3000億ドル(約45兆5400億円)相当の計算能力をオラクルから購入する計画を発表している。また、この契約は、AMDの最大の競合であるエヌビディアがオープンAIに対し1000億ドル(約15兆1800億円)の投資計画を発表した直後に成立した。これにより、オープンAIはAIデータセンター向けに少なくとも10ギガワット分のエヌビディア製システムを導入できるようになる。初回の導入は2025年後半に予定されているが、この契約はまだ最終確定していない。

エヌビディアはこのオープンAIとの提携に先立ち、インテルとの協業も発表している。これは、新しいデータセンター用およびコンシューマー向けチップを共同開発するとの内容で、今後インテルのCPUとエヌビディアのGPUを組み合わせた製品を開発する計画だ。この契約では、エヌビディアが約50億ドル(約7600億円)分のインテル株式を取得する見込みである。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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