政治

2025.10.15 17:00

中間選挙まで1年余、米無党派層が発する「トランプへの警告」

ドナルド・トランプ米大統領(FotoField / Shutterstock.com)

ドナルド・トランプ米大統領(FotoField / Shutterstock.com)

ドナルド・トランプ米大統領が経済問題に関する世論調査において、とりわけインフレと関税をめぐって深刻な弱点を抱えていることは以前から明らかだった。移民対策と犯罪対応については高い評価を得ているものの、少なからぬ米国民が政権の行き過ぎを懸念しているため、この2点も今後、問題と化す可能性がある。

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フォーカスグループ研究や最近のいくつかの世論調査によると、トランプを支持していた若年層やマイノリティー層の間で、支持率が若干の低下を見せている。総合的な支持率はこのところかなり安定しているが、その比較的安定した状況の裏側では、特に無党派層の間で憂慮すべき底流が形成されつつある。

とはいえ、民主党が有権者の心を掴んでいるわけではない。そして民主党は依然として支持基盤に問題を抱えている。経済誌『エコノミスト』と調査会社YouGovが9月末に実施した世論調査では、民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務の仕事ぶりを支持すると答えた民主党支持者は54%にとどまった。一方、共和党下院トップのマイク・ジョンソン下院議長に対する共和党支持者の支持率は62%だった。

また、ピュー・リサーチ・センターの最近の調査によれば、上下両院の両党トップ4人全員が、肯定的な見方よりも否定的な見方が上回る結果となっている。同センターは「民主党支持層における党議会指導部に対する不支持率は、ここ数十年で最も高い水準にある」と指摘。共和党支持層のほうが党指導部に対してより肯定的だと分析している。

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投票率がモノを言う中間選挙はまだ1年余り先であり、それは政治の世界では永遠に等しい時間だ。しかし、エコノミストとYouGovの世論調査では、無党派層の10%が「今選挙をやるなら共和党候補より民主党候補に投票する」と回答した。もっとも「わからない」「投票しない」と答えた人も多かった。

ここで、無党派層を自認するのがどのような人々なのかを振り返ってみよう。政治学研究では、この大規模なグループの大半が実際には民主党寄りか共和党寄りであり、純粋な無党派層はごく少数だとの分析結果が数多く提示されている。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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