働き方

2025.10.17 07:15

Z世代の就活:知名度より社風の裏で給料が最重視される本音

Getty Images

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仕事よりもプライベートを重視する傾向が強いと言われるZ世代だが、就活ではどんな企業を志向するのだろうか。優秀な人材を確保したい企業としては、どうすれば彼らを惹きつけられるのか。企業選びに関するZ世代の本音に迫る調査結果が発表された。

コミュニケーションデザイン事業などを展開するトガルは、東京、愛知、大阪に住む21〜23歳の学生94人を対象に、企業選びの本音に関する調査を行った。それによると、まずは企業の知名度よりも社風を重んじるという、ブランドにこだわらず自分の感覚を大切にする傾向が見られたが、初任給が安い企業はイヤだというしっかりした側面も見られた。

企業の知名度を気にするかを尋ねると、知名度が高い有名企業を望む人は16パーセントにとどまった。もっとも多かったのが「一般的ではないが業界内では知名度の高い企業」(41.5パーセント)。それに僅差で迫るのが「知名度は気にしない」(40.4パーセント)だった。業界内で知名度が高い企業とは、企業の目線で信頼が厚い企業と言える。つまりは名より実を取る意義深い仕事をしたいという意欲の表れに思える。知名度を気にしない人たちは言うに及ばずだ。これらをあわせると、ブランドよりも仕事内容を重視する人が8割以上にのぼる。

では具体的にどのような企業が選ばれるのか。そこで好ましい社風を2つまであげてもらったところ、もっとも多かったのが「安定志向で落ち着いた雰囲気」だった。それに「プライベートを大切にする働き方」が僅差で続く。また3位には「社員同士のコミュニケーションが活発で仲がよい雰囲気」があげられた。「成果・実力主義」は約5パーセントにとどまった。

有名企業でバリバリ頑張るよりは、無名でも意義深い事業を行う企業の和やかな職場で、ワークライフバランスを保ちつつ働きたいというのがZ世代の本音のようだ。しかし、それがすべてではない。

この調査の詳細を見ると、エントリーで重視するポイントに「給料」をあげる人がもっとも多い。「仕事内容」はその次だ。物価高のおり、ある程度の収入を確保できなければワークライフバランスも保てない。彼らが望む初任給は、19〜21万円がボリュームゾーンだ。2025年度の大卒初任給の平均は約24万円ということだから、やや控えめだが、給与が決め手になることに変わりはない。

トガルはこの調査結果を受けて、Z世代は「どんな会社に入りたいか」よりも「どんな環境で働きたいか」を重視していると分析。そこで企業側は、誰と働くか、どんな関係を築けるかなど、SNSなどで職場の雰囲気を伝える発信を行うことが重要になる。今後は「企業の知名度や規模ではなく、社風・人間関係・働くリアルを発信できる企業」が選ばれる時代になると指摘している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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