数々の話題を提供した大阪・関西万博も幕を閉じたが、筆者は今年も何度か、東京に次いでガチ中華が多く出店されている大阪の事情を知るべく、現地を訪ね歩いた。
実は大阪には、この地でしか味わえないガチ中華体験があるのだ。その筆頭が、市内西成区の通称「動物園前商店街」にある中国カラオケ居酒屋だろう。
昼間はシャッター商店街と化しているが、夕刻を迎えると、通りに連なるネオンが一斉に灯り、各店からカラオケ客の晴れやかな歌声が漏れ聞こえ、街路中にこだまするという不思議な光景が現出するからだ。
そのエリアの周辺環境も実に興味深い。JR大阪環状線の新今宮駅を中心に、東西南北を十字に切り分けると、まず西南部は日雇い労働者街の「あいりん地区」で、そこから環状線をはさんだ西北部には2022年4月にオープンした星野リゾートの「OMO7大阪」があり、東北部はジャンジャン横丁や新世界のある歓楽街が広がり、外国人観光客であふれている。
動物園前商店街は、その東南部に位置するが、これらはすべて徒歩数分圏内にある。この商店街のすぐ近くには外国人向けゲストハウス街があるので、西洋人ツーリストたちがカラオケや飲食店を利用する姿を見かけるのも珍しくない。そして、これらのカラオケ居酒屋を営むのが中国系の女性たちというわけである。
AIが回答した中国カラオケ居酒屋事情
先日、その中国カラオケ居酒屋を訪ねることになった。案内役を務めてくれたのは、筆者が運営しているガチ中華を愛好するSNSコミュニティ「東京ディープチャイナ」関西支部の安藤博康さんだ。
関西在住の彼は、事前にグーグルのAI「Gemini Deep Research」を使って、次のようなプロンプトを入力して、西成の中国カラオケ居酒屋について下調べしていた。
<大阪市西成区のカラオケ居酒屋のなかから中国家庭料理のおつまみが食べられる店を、中国の人が中国語で書いたネット上の情報を元にして探してください>
このようなプロンプトを安藤さんが選んだのは理由があった。筆者と彼は、以前から次のようなことをよく話題にしていたからだ。
<西成の中国カラオケ居酒屋では、どんな料理を提供しているのだろうか。いわゆるガチ中華なのか。思うに、大半が日本人である西成のカラオケ客は特にそのようなものを求めていないのではないか。だとしたら、この町でガチ中華を体験することはできるのだろうか……>
前述の安藤さんからの指示を受けたAIは「動物園前商店街における中華カラオケ店の歴史と本格中華料理の探求」というタイトルを付けた約1万字のテキスト情報を提供してくれた。



