宇宙

2025.10.14 16:00

「火球」が流れ、木星と金星が極上の眺めを創る 高緯度ではオーロラも増える今週の夜空

カナダ・シムコー湖で観測されたオーロラとおうし座流星群の火球。2015年11月9日撮影(Orchidpoet/Getty Images)

カナダ・シムコー湖で観測されたオーロラとおうし座流星群の火球。2015年11月9日撮影(Orchidpoet/Getty Images)

今週の夜空では「火球」と呼ばれる明るい流星が流れやすいことで知られる2つの流星群の活動が本格化する。また、木星とふたご座のポルックスの共演や、月と金星、しし座のレグルスがつくり出す美しい眺めも楽しめる。

月が欠けてゆくにつれ、宵の空は暗くなり、高緯度地域ではオーロラが見やすくなる。9月23日の秋分の日の後数週間は、地磁気活動が活発化しやすいからだ。太陽風の吹いてくる方向に対して地球の磁極が垂直になり磁場が弱まるため、磁気圏に生じた「亀裂」をすり抜けて太陽風のエネルギー粒子が入り込み、オーロラを引き起こす。今は太陽活動が「極大期」にあるため、壮大なオーロラの発生に期待したい。

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2025年10月14日からの1週間の星空の見どころを紹介しよう。

「おうし座南流星群」と「おうし座北流星群」

活動期間の長い2つの流星群「おうし座南流星群」と「おうし座北流星群」の活動が10月中旬から本格化する。いずれも母天体はエンケ彗星(2P/Encke)だ。1時間あたりの流星出現数はともに最大5個と少ないが、非常に明るく輝く「火球」と呼ばれる流星がたびたび流れることで知られている。どちらも極大を迎えるのは11月に入ってからなので、今後数週間は夜空を見上げる際に、おうし座の方向からゆっくり流れてくる明るい流星がないか注目してみてほしい。

米テネシー州タラホーマにある米航空宇宙局(NASA)全天火球ネットワークの観測施設が2014年に捉えたおうし座流星群の火球(NASA)
米テネシー州タラホーマにある米航空宇宙局(NASA)全天火球ネットワークの観測施設が2014年に捉えたおうし座流星群の火球(NASA)

10月14日(火):木星と双子の兄弟星、下弦の月

夜明け前に東の空を見上げると、木星がふたご座に位置し、兄弟星カストルとポルックスの間近に輝いている。この巨大惑星は14日明け方、月と大接近した。今宵は日付の変わる頃に、下弦の月が木星のやや左下から昇ってくる。

2025年10月15日(東京:午前0時30分頃)の東の空(Stellarium)
2025年10月15日(東京:午前0時30分頃)の東の空(Stellarium)

10月17日(金):細い月とレグルス

日の出1時間前の東の低空で、月齢15の細い月がしし座の1等星レグルスに大接近する。さらにその下、地平線間際には明るい金星が昇ってくるのが見える。

2025年10月17日、日の出1時間前(東京:午前4時49分)の東の空(Stellarium)
2025年10月17日、日の出1時間前(東京:午前4時49分)の東の空(Stellarium)

10月20日(日):三日月と金星

日の出前の東の低空で、新月を目前にした月齢28の繊細な月が、明るい金星の右下に見える。両者の見かけの間隔は約4度だ。双眼鏡を使うと、月の影の部分が「地球照」によりほのかな光を帯びている様子がよく観察できるだろう。

2025年10月20日、日の出45分前(東京:午前5時7分)の東の空(Stellarium)
2025年10月20日、日の出45分前(東京:午前5時7分)の東の空(Stellarium)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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