働き方

2025.10.27 10:15

「プレゼン前のソワソワ」を有効に過ごせる人がやっている"2つのこと"

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2つ目は、有酸素運動です。

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実は、30分ほどのランニングやサイクリングなど、中程度の強度の有酸素運動をすると、運動後に不安を感じにくくなることが研究で明らかになっています(※1)。研究者によれば、これは運動によって脳内でリラックスを促す物質(エンドカンナビノイド)や、覚醒・やる気に関わる物質(ノルアドレナリンやドーパミン)が活発に働き始めるためだといいます。その結果、心拍数やストレスホルモンのバランスが整い、不安感が軽減されるのです。

(※1 Crombie, K. M. et al.(2020)Aerobic exercise reduces anxiety and fear ratings to threat and increases circulating endocannabinoids in women with and without PTSD.)

さらに興味深い研究もあります。

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被験者を2つのグループに分け、一方には30分のサイクリング、もう一方には30分の読書をしてもらいました(※2)。その後、どちらのグループが「目の前の仕事に集中できるか」をテストしたところ、サイクリングをしたグループは読書グループよりも明らかに集中力が高く、周りの余計な情報に気を取られにくいことが判明しました。脳の計測データでも、サイクリング後の被験者は「集中すべき対象に意識をしっかり向け、余計な雑音をシャットアウトする力」が向上していました。つまり、30分ほどの有酸素運動により、「今やるべきことに集中しつつ、邪魔な情報を無視する能力」が高まるということです。

(※2 Mangyang He, et al.(2025)The effects of aerobic exercise on goal-directed attention and inhibitory control in individuals with high trait anxiety: An EEG study.)

早朝に30分走って生まれた変化

私自身、あるシステム開発プロジェクトをリードしていた時期に、「プロジェクトが納期に間に合うだろうか」「明日の会議でクライアントと要件について合意できるだろうか」という不安で眠れない日々が続きました。特にクライアントの重役が参加される会議の直前は、その会議のことが気になって仕方なく、目の前の仕事が手につかない状態でした。

そんなとき、先輩に相談したところ「走るといいよ」とアドバイスをもらったんです。正直、「ただでさえ疲れているのに、走る余力なんてどこにもない」と思いました。しかし、早朝に30分ほど走るようにしたところ、次のような変化が生まれました。

・有酸素運動を続けていると、あれこれ考える余裕もなくなり、頭を空っぽにできる
・走った直後に仕事をすると、効率が上がる(ように感じる)
・それなりに疲れているため、寝つきもよくなる。目をつむって3分で眠れる
・サウナ後のように心身が整う

それ以降、大事な予定が控えていても、目の前の仕事に以前よりも集中しやすくなったと感じています。

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文=本山裕輔

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