これらの改良型ミサイルはウクライナの防空能力にとって難題となっており、それにはウクライナの主要な弾道・超音速ミサイル迎撃手段であるパトリオット地対空ミサイルシステムも含まれる。ドイツのキール世界経済研究所の報告書によると、パトリオットによるキンジャールの迎撃率は戦争初期に25%程度だったと言われるが、1発迎撃するのにパトリオット中隊が発射機の全弾を発射する必要があったとされる。10月2日の攻撃では、より速度の遅いイスカンデル-Mミサイルがキンジャールに似た挙動をし、すべて目標に命中している(編集注:英紙フィナンシャル・タイムズは、ウクライナによるロシアの弾道ミサイル迎撃率は8月に37%だったが、発射数が減っているにもかかわらず9月には6%に低下したと報じている)。
ロシアによるドローンの改良
ロシアはミサイルだけでなくドローンも改良している。シャヘド(ロシア名・ゲラニ)の新型は電子機器や飛行制御システムが改良され、航法性能やジャミング耐性が上がっている、シャヘドは、デコイや偵察用のより安価なドローンであるゲルベラなどと混ぜて使用されている。
ウクライナ側の報告によると、最近の攻撃ではドローンが目標に接近する際に飛行経路を調節しており、限定的なAI(人工知能)もしくは人間による制御が行われている可能性がある。シャヘドはさらに、機体の補強や燃料タンクの位置の変更によって損傷に対する耐性も上がっており、被弾しても飛行を継続できる場合もある。
こうした改良は顕著な成果につながっている。今年2月ごろまで、ウクライナは飛来するシャヘドのほとんどを撃墜するかジャミングで阻止していた。多くのドローンはジャミングで航路を外され、残りは防空システムや迎撃ドローン、ヘリコプター、あるいは地上の機動防空部隊に撃墜されていた。しかし10月2日の大規模攻撃では、全体の4分の1ほどのドローンが目標に到達しており、突破数はこれまでより大幅に増えている。


