2023年には、ノーベル医学賞、化学賞、物理学賞が贈られた米国人6人のうち4人が移民だった。ハンガリー出身のカタリン・カリコは、米国生まれのドリュー・ワイスマンと共に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する効果的なmRNAワクチンの開発を可能にした核酸修飾に関する発見」でノーベル生理学・医学賞を受賞した。さらに遡って2021年のノーベル医学賞、化学賞、物理学賞でも、米国人受賞者4人のうち3人が移民だった。
NFAPによると、1901年から2025年までにノーベル化学賞、医学賞、物理学賞を受賞した米国人の36%が移民だ。
こうした歴史的事実をよそに、スティーブン・ミラー米大統領次席補佐官は今年5月31日、Xへの投稿で「20世紀半ば、米国が科学分野で疑う余地のない世界的優位性を実現したとき、移民は実質ゼロだった。1920年代から1970年代にかけて(すなわち1965年移民法が施行されるまで)、外国生まれの人口はほぼ半減した一方で、総人口は2倍になった」と主張した。
この主張についてアナリストらは、第2次大戦後に移民がもたらした著しい科学的成果を見落としていると指摘する。NFAPによれば、1945~74年にノーベル物理学賞を受賞した米国人30人のうち、16人は移民だった。また、同期間にノーベル医学賞を受賞した米国人36人のうち15人が移民だった。
ポーランド出身のアルバート・サビンと移民家庭に生まれたジョナス・ソークは、米国人にとって脅威だったポリオ(急性灰白髄炎)を予防するワクチンを開発した。2人とも両親が米国に移住した結果、米国籍を得た。世界保健機関(WHO)のポリオ根絶計画担当ディレクターを務めたミシェル・ザフランは、この2人がいなければ「米国の子どもたちは今もポリオを患い、生涯残る麻痺を抱えて生きなければならなかっただろう」「2人の貢献は実に計り知れない」と語っている。
1924年移民法は移民の流れを約90%削減し、ユダヤ人、東欧人、アジア人の米国入りを遮断したが、これは米国経済に悪影響を与えた。ニューヨーク大学の経済学者ペトラ・モーザーとシュムエル・サンの研究によると、1920年代の移民割当制限により米国内での発明は著しく減少し、その影響は米国生まれの科学者の特許出願数にも及んでいた。


