2025年にはAIエージェントについて多くの論考がなされてきたが、2026年には、それが本格的に一般へ普及し始めると見込まれる。
エージェントは、過去2年間に起きた生成AIの革命に続く、AIの次の世代的な飛躍を体現する存在である。単に質問に答えたり、会話したり、(たとえばChatGPTのように)コンテンツを生成したりするだけでなく、実際に行動を起こすことができる。
これは、複雑な複数ステップのタスクを実行し、サードパーティのシステムと連携し、最小限の人間の関与で長期目標に向けて働けることを意味する。
2026年には、これが真の汎用人工知能――Artificial General Intelligence(AGI、人工汎用知能)――へのさらなる前進を示すのかどうかについて、より多くの知見が得られるだろう。AGIとは、人間並みの適応力を持ち、あるタスクで得た学習を一般化して、他の多くのタスクのやり方を自ら導き出せるAIを指す。
ただ確かなのは、エージェントが私たちの生活でますます重要な役割を果たし、仕事の効率化と生産的な時間の使い方を助ける一方で、信頼や倫理的な技術採用に関する新たな課題も生むということだ。
以下は、今後12カ月でAIエージェントの導入と活用を牽引すると考える最大のトレンドである。
1. エージェント型チーム
AIエージェントの最も刺激的な能力のひとつは、協働できる可能性にある。単一の一枚岩ではなく、エージェント型アーキテクチャは、特定のタスクに特化して設計され、互いに連携・データ共有できる専門エージェントのチームで構成されるようになる。たとえば、eコマース企業は、購買・在庫エージェントのデータに基づいて商品ページを作成するエージェントを展開できる。購買・在庫エージェントは、顧客需要を理解するよう設計されたマーケティングエージェントと連携するだろう。こうした全体を、戦略的な事業目標の達成に向けて動いているかを確かめるプロジェクト管理エージェントが調整することになる。
2. 日常タスクのためのエージェント
エージェント型のツールが増えるにつれ、日常生活の一部として当たり前に使われるようになる。たとえば、作りたい料理を伝えるだけで、単なる買い物リストの作成にとどまらず、実際に注文と配送の手配まで行う食料品購入エージェントを想像してみてほしい。パーソナルフィットネスのエージェントは運動やトレーニングのスケジュールを管理し、家事はスマート家電や掃除・警備ロボットを統括するエージェントが担う。2026年には、AIエージェントが生活の細部に溶け込み、雑事を引き受け、私たちは重要なことに集中できるようになるだろう。



