働き方

2025.10.17 13:00

2026年に向けて備えるべき、「AIエージェント」8つのトレンド

Techa Tungateja / Getty Images

3. AIエージェントへのマーケティング

購買判断が私たちに代わってエージェントによって下されるようになる中で、マーケターは、意思決定者がもはや必ずしも人間ではない状況で、製品やサービスを最適に売る方法を理解するために、従来のルールブックを破棄しつつある。ここには多くの課題がある。エージェントは、人間と同じように感情、憧れ訴求型の広告、流行のインフルエンサーに反応するわけではない。つまり企業は、エージェントが自社の製品・サービスを容易に発見し、評価し、理解できるようにするとともに、検証済みレビューやサイトの信頼性指標といった信頼のシグナルを解釈できるようにすることに注力するようになる。

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4. 医療におけるAIエージェント

医療分野では、エージェント型AIは提供者にも患者にも多くのゲームチェンジをもたらし得るものであり、2026年はそれが主流になる年となる可能性がある。症状分析や治療提案といった単発のタスクを扱うチャットボットのような役割にとどまらず、患者の診療全体をエンドツーエンドで俯瞰し、診断、病歴レビュー、治療、アフターケア、フォローアップのスケジューリングを調整できる。患者側では、生活習慣、投薬、リスク要因の関連性を理解し行動に移すことで、健康を総合的に捉える助けとなる。世界的には、医療専門職の人材不足とコスト上昇が導入を促進する主要因になるだろう。

5. サイバー攻撃と防御におけるエージェント

サイバー攻撃の速度と規模は急速に拡大しており、2025年にはインシデントが21%増加したと報告されている。新技術は常に新たな攻撃経路を生み、エージェント型AIもその好例である。たとえばReaperAI botは、ネットワークの脆弱性を自律的に分析・特定・悪用して高度なサイバー攻撃を実行できるエージェント型AIだ。MalwarebytesのCEOであるマルチン・クレチンスキーの言葉を借りれば、「攻撃の量が増えているだけでなく、数年前には想像もできなかったまったく新しい形の欺瞞や自動化が現れている」のだ。

これに対抗して、脅威に適応し、追跡し、無力化する能力を備えたエージェントの開発が進んでいる。受動的防御から能動的防御へのシフトを特徴として、2026年には、フィッシング、ランサムウェア、データ窃取との戦いの新たな前線でエージェントが活動するようになるだろう。

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翻訳=酒匂寛

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