インドの富豪ヴェンブ(Vembu)一族が支援するメッセージアプリArattai(アラッタイ)は、過去2週間で母国インドにおけるサインアップとダウンロードが急増した。ドナルド・トランプ米大統領の対印関税で両国の貿易関係が打撃を受けるなか、外国製品を退け国産代替品を受け入れるよう求めるインド政府の呼びかけが追い風になっている。
インドのエンタープライズ向けテック企業Zoho(ゾーホー)が開発したArattaiは、メタ傘下のWhatsApp(ワッツアップ)と類似するメッセージングプラットフォームである(WhatsAppはインドで5億人超のユーザーを持つ)。
同アプリは2021年にひっそりと立ち上げられ、8月時点のダウンロード数は1万未満にとどまっていたが、9月下旬以降にグーグルのPlay StoreとアップルのApp Storeの両方でランキングを急上昇させ、国内で最もダウンロードされたアプリとなった。
先月末、Zoho創業者のシュリダール・ヴェンブは、アプリのトラフィックが「100倍」に増加し、サインアップは1日あたり3000件から35万件へと急増、現地時間10月1日には単日で200万件に達したと述べた。
ユーザー数の急増により、ArattaiのグーグルPlay Storeでのダウンロード数は1000万件を超え、Zoho傘下のこのプラットフォームが、メッセージング大手WhatsAppに番狂わせの挑戦を仕掛けられるのかという点で、インドのメディアの関心を集めている。
Arattaiの人気急騰は、インドのナレンドラ・モディ首相とその政権が、外国製の競合を退けつつ、インド製品とインド発ブランドを受け入れるよう促すメッセージを発している時期と重なっている。
ヴェンブとZohoの経営陣は「スワデーシ」(Swadeshi、国産)推進を掲げており、創業者は自社こそがマイクロソフトの企業向けアプリ群に対抗できる世界で唯一の企業だとまで主張している。
インドの閣僚はZohoとArattaiについて何と言っているか
インドのダルメンドラ・プラダン連邦教育相は、Arattaiへの切り替えを支持して公に表明した最初期の政府高官の1人だ。X(旧Twitter)への投稿で、プラダンはArattaiを「無料で、使いやすく、セキュアで安全、そして『メイド・イン・インディア』です」と述べ、アプリのダウンロードリンクを共有した。数日後、インドのピユシュ・ゴヤル商業相も同様の投稿を行い、Xに「#Swadeshi(国産)製品を使う気持ちに勝るものはありません……私のチームも私も利用を始めており、ここで皆さんとつながるのを楽しみにしています」と書いた。インドの鉄道相アシュウィニ・ヴァイシュナウと、モディの最側近で内閣で最も影響力のある大臣であるアミット・シャー内相も、Arattaiを支持している。



