ホワイトハウスの報道官スティーブン・チョンが米国時間10月10日、ノーベル平和賞の選考でドナルド・トランプ大統領が選ばれなかったことを受け、ノルウェーのノーベル委員会を痛烈に批判した。トランプはこの賞の受賞を長年にわたり働きかけてきたとされる。
ホワイトハウスの広報ディレクターであるスティーブン・チョンは、金曜日にベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャドに賞が授与されたことについて「ノーベル委員会は平和より政治を優先していることを証明した」と主張した。チョンはX(旧ツイッター)への投稿で「トランプは人道主義者の心を持っている。彼のような意思の力だけで山をも動かせるような人物は、今後二度と現れないだろう」と記した。
マチャドは自身の受賞をトランプと「ベネズエラで苦しむ人々」に捧げるとし、Xへの投稿で「私たちは勝利の瀬戸際にある。今日ほど、自由と民主主義を達成するための主要な同盟者として、トランプ大統領、米国民、ラテンアメリカ諸国民、そして世界の民主主義国家を頼りにしているときはない」と書いた。
トランプはニコラス・マドゥロ大統領の政権を「麻薬テロ・カルテル(narco-terror cartel)」と批判し、同政権に対する制裁を科し、カリブ海における麻薬密輸の取り締まりを強化し、ベネズエラ周辺での米軍の影響力を強化した。
トランプは自らの受賞を公然と主張し、ホワイトハウスによれば、今年は7人の各国首脳から受賞の支持を得たという。ただし、トランプは6月にTruth Socialに「自分が何をしようと、ノーベル平和賞はもらえないだろう」と書き込み、受賞しないと予測していた。
トランプが受賞する可能性をめぐる憶測は、先にイスラエルとハマスがトランプの和平案の第1段階に合意したと発表した後に高まった。ただし、ノーベル賞の受賞者は数週間前に選定されていた可能性が高いと広くみられている。



