トリガー3:反復
3つ目のトリガーは、学んだことを繰り返し述べる能力だ。新しい概念を友人に説明したことのある人なら誰でも、もう1度話すことでその概念が定着することを知っているだろう。心理学者はこれをテスト効果と呼んでいる。情報を取り出すたびに、記憶は強化される。人間はまた、社会的に必要とされる情報を共有するようにできている。人は伝える価値があると感じたことを記憶し、繰り返す。
学習体験を設計するときは、新しいアイデアを30秒で相手に説明するよう参加者に求めるといい。使える簡単なフレーズや例えを与える。語るのが簡単であればあるほど、記憶され共有される可能性は高くなる。人は自分が考えさせられたことを伝えることを楽しむため、好奇心はこの効果を高める。
指導者や教育者のトリガー応用
脳のトリガーを仕事で応用する方法をいくつか紹介しよう。
・質問から始める:質問は情報が与えられる前に好奇心を生み出す。例えば「なぜ多くの人は新しい手順をすぐに忘れてしまうのだろうか」という問いかけで研修を始める。私はよく「仕事における好奇心をどう定義しますか」と質問する。そうすることで、脳は答えを探すようになる。
・感情的な物語を使う:退屈な説明を葛藤や発見、あるいはユーモアを表す物語に置き換える。面白い話を思いついたらメモしておくと役に立つ。私がインタビューした優れた話し手の誰もが、自分のエピソードをメモに残し、後で脚色すると言っていた。強い感情が学びを持続させる。
・意外な要素を加える:直感に反する事実やひねりを加える。例えば、何かを忘れそうになると、それにより記憶に残りやすくなることを伝える。ある事実を思い出せそうで思い出せなかった人が、その後事実を思い出すと、思い出すのに苦労したことで記憶が強化される。その驚きが注意を高めるのだ。
・再び語ることを奨励する:参加者が誰かにコンセプトを説明する短い練習を組み込む。セールスのワークショップでは、同じエレベーターに乗り合わせたかのように、新しい売り込みを同僚に語るよう求めることができる。再び話すという行為は記憶を強化する。
・好奇心を持続させる:ニュースキャスターがコマーシャルの後に番組でどんなことを取り上げるかを把握できるようにしてから、1つのコーナーを終える方法を考えてみよう。これから何が起こるかを予告するループを作ろう。「人は聞いたことのほとんどをなぜ忘れてしまうのでしょうか。その原因について後ほど学びます」と言うと、注意を持続させることができる。
脳のトリガーの理解が重要なわけ
記憶に残らない、時間とお金を無駄にする研修をたくさん見てきた。「Death by PowerPoint(デス・バイ・パワーポイント)』という本があるのには理由がある。プレゼンはすぐに忘れられてしまう。目標は常に、情報を伝えるだけでなく、応用・共有・行動できるよう記憶に残るものにすべきだ。この前置詞で終わる前の文で私が何を得たかおわかりだろうか。今では前置詞で終わる文が(ときとして)許されることを私は理解している。中学時代のあの箱の練習の教訓は数十年経った今でも残っている。どんなにシンプルなツールであっても、感情や驚き、共有可能性と組み合わされれば、アイデアを一生使えるものにできるということを証明している。これらの脳のトリガーを使うことで、今日のレッスンや研修、プレゼンを忘れられないものにできる。


