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2025.10.10 17:00

フェラーリ株が「過去最悪の急落」、長期業績見通しにアナリストが懸念

Matthias Balk/picture alliance via Getty Images

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米国時間10月9日、フェラーリが市場予想を大きく下回る業績見通しを発表したことを受け、同社の株価は欧州市場と米国市場の双方で急落し、両市場における過去最悪の1日を記録した。

ニューヨーク証券取引所では、フェラーリ株は約15%下落し、終値は407ドル(約6万円。1ドル=152円換算)強となった。これは2015年10月にフェラーリ株が同市場に上場して以来、1日あたりの下落率としては最大のものとなった。

ミラノ市場でも株価は14%超下落し、約60ユーロ(約1万円。1ユーロ=176円換算)下げて357.60ユーロ(約6万円)前後となった。こちらも2016年1月の上場以来、1日あたりの最大の下げ幅である。

フェラーリは9日に開催した「キャピタル・マーケッツ・デー」イベントで、今年の売上高を71億ユーロ(約1.25兆円)と予想していると発表した。これは従来の「70億(約1.23兆円)ユーロ強」という見通しから上方修正されたものである。また、2030年の売上高は約90億ユーロ(約1.58兆円)、そして、調整後利益は直近決算の27億ユーロ(約4752億円)から少なくとも36億ユーロ(約6336億円)まで増加するとの長期見通しも示した。

RBCキャピタルのアナリスト、トム・ナラヤンは9日のレポートで、2030年の利益見通しが「保守的な」ものになることは予想していたものの、今回のガイダンスはフェラーリが2022年に示した成長率を大きく下回るものであり、投資家は想定以上の「減速」を織り込むだろうと指摘した。

ナラヤンは、今回のフェラーリの見通しは経営陣の「保守的姿勢」を反映しており、シティが想定した最悪シナリオをも下回る内容だと述べた。

ニューヨークに拠点を置く投資リサーチ会社のCFRAは、フェラーリ株の格付けを「売り」に引き下げ、目標株価を475ドル(約7万円)から350ドル(約5万円)に下方修正した。その理由として、成長鈍化への懸念を挙げている。

フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャは長期見通しについての説明の中で、「人々はより高い売上高を期待していたと思うが、我々が言ったことを確実に実行することが重要だ。達成できないことを約束するわけにはいかない」と述べた。

一方で、他のアナリストはフェラーリの成長見通しに依然として楽観的である。JPモルガンのアナリストは、「現在、需要が供給を大きく上回っていることを示す十分な証拠がある」とし、フェラーリが長期目標を着実に達成することに「強い確信」を持っていると記した。ドイツ銀行も同様の楽観的見方を示し、株式の格付けを「買い」に引き上げ、フェラーリ株の目標株価を520ユーロ(約9万円)に引き上げた。

9日、フェラーリは電気自動車(EV)製造計画の縮小を発表した。新たな方針では、モデル構成比をガソリンエンジン40%、ハイブリッド40%、EV20%とし、以前の「EV比率40%」という目標を変更した。EV戦略の見直しは、フェラーリが初の電気自動車、Elettricaを発表したタイミングで行われた。同車は2026年後半に初回納車される予定だという。

他の自動車メーカーもEV販売目標を引き下げており、ボルボは2030年までにEVのみを販売するという計画を撤回している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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