設計はまだ未成熟、過大すぎる権限と自動操作が主なリスク
実態として、AIブラウザーは総じて防御設計が未成熟だ。各社は攻撃手法の進化にキャッチアップしつつ、基盤の防御を底上げする必要がある。AIブラウザーは黎明期でまだ守りが薄く、その運用は薄氷を踏むような状況だ。攻撃の方法に関する理解も始まったばかりといえる。
「より安全だという主張にもかかわらず、」とSquareXのCEO、ヴィヴェク・ラマチャンドランは著者に語った。「フルのユーザー権限を持つ自律エージェントが、今や人の監督なしに動作できるようになっていて、最低限の訓練を受けたユーザーが持つセキュリティ意識や常識すら欠いているのです」。
現場ではすでに広まる傾向にあり、利用は目的とセキュリティによって判断すべき
変化は訪れつつあり、その速度は速い。Venn(ヴェン)のCEO、デイビッド・マタロンは「私たちの顧客のリモート従業員や契約社員の間で、ブラウザーの使用状況に興味深い変化が見られます。Chrome、Edge、Safariではない新規性のある非伝統的なブラウザーの利用が前年比14%増となっており、その多くはAIによる生産性向上の約束に後押しされています」と述べる。
一方、Menlo Security(メンロ・セキュリティ)のペジマン・ロシャンは、ブラウザーは「ほとんどすべての目的に使う」主要アプリケーションだと警告する。では、トップシェアのブラウザーから、新しく刺激的なAIブラウザーに切り替えるべきなのか。ロシャンは「何を最優先するかによります」という。
そしてそれがタイミングを左右する。いずれ切り替えることになるが、今がその時かどうかは自分で決める必要がある。もし切り替えるなら、AIブラウザーやエージェントにまつわる数多くの警告に注意すべきだ。
従来型ブラウザーもAIブラウザー化しつつある
ChromeとCometの選択に関しては、グーグルはそもそもこの「従来型ブラウザー」vs「AIブラウザー」という対立の図式の見直しを行う必要がある。
LayerXのCEO、オル・エシェドは「AIブラウザーは、AI技術を利用するための主要なインターフェースになっていくでしょう。まだ新興の技術ではあるものの、従来型ブラウザーもすでに対応を始めています」と語る。したがって、最終的には選択の余地はないということになる。
今回の最新の報告については、Perplexityにコメントを求めている。


