自分のiPhone・Androidスマホがハッキングされているかどうかを見分ける方法は、今や重要な知識だ。世界のスマホ利用者のうち、チャットやメッセージに使う人は4分の3、銀行取引に使う人は10人中6人、ナビに使う人はほぼ半数にのぼるとStatistaは報告している。実際、Pew Researchによれば、米国の成人の15%は「スマホのみ」でインターネットを利用しており、自宅にブロードバンド回線を持たないためスマホに依存している。つまり、もしスマホがハッキングされると、生活が一変し、銀行口座を空にされることすらあり得るということだ。ここでは、スマホがハッキングされたかどうかを見極める方法、避ける方法、そして最悪の場合に何をすべきかを見ていく。
iPhone・Androidスマホはハッキングされるのか?
サイバー犯罪者は、被害者のスマホを乗っ取ったり情報を盗み出したりするために、さまざまな手口を用いる。iPhoneであれAndroidであれ、あらゆる種類のスマホが脆弱だ——もっとも、アップルのiPhoneは一般に、より強固なセキュリティ制御のおかげで安全だと受け止められている。
スマホのハッキング手法にはいくつかの種類があり、自分が被害に遭ったかどうかを見分ける方法を知っておくことが重要だ。もっとも一般的なのは、ユーザーをだまして悪意あるリンクをクリックさせたり、偽のアプリストアやその他の場所からソフトウェアをダウンロードさせたりする手口で、これはしばしばフィッシングメールを用いたソーシャルエンジニアリング的手法によって行われる。偽の公共Wi‑Fiネットワークも、気づかない利用者をだますことが多い。別の手口はSIMスワップで、攻撃者が被害者の携帯電話会社を言いくるめ、被害者のSIMカード(電話番号)を攻撃者の管理下にある端末へ移すものだ。感染したUSBケーブルや充電ケーブルも、攻撃者にアクセスを許す可能性がある。そしていったん侵入口が見つかると、特にパスワードを使い回している場合、ユーザーのデータが流出するおそれがある。
iPhone・Androidスマホがハッキングされたかどうかの確認方法
おそらく最も注目を集めたスマホのハッキングは2019年に起きたもので、当時TwitterのCEOだったジャック・ドーシーのアカウントが、奇妙な投稿を次々とツイートし始めた。彼のTwitterアカウントがハッキングされたことはすぐに明らかになった。
このケースでは、攻撃者はSIMスワップを使ったようであり、これは彼の携帯電話会社の「セキュリティ上の見落とし」によって可能になったとされる。より一般的には、スマホ利用者は以下の症状のいずれかに気づいて、不審を抱くようになる。
スマホがハッキングされたことを示すサインはいくつかある——ただし、すべてのケースで必ず現れるわけではなく、現れたとしても見落としやすい。基本的には、スマホの「いつもと違う」挙動に注意することだ。
1. バッテリーを確認する
スマホがハッキングされた際の一般的な症状のひとつは、バッテリーの減りが早くなることだ。これにより端末が熱くなることもある。突然、はっきりとした違いが見られるなら、問題があるかもしれない。
2. 携帯電話の料金明細を見直す
スマホが不正な活動を行うため、通常より高額な請求が来るのもハッキングの兆候だ。データ使用量の急増は、スマホが望まない通信を送信しているサインかもしれない。
3. 端末内のアプリを棚卸しする
スマホがハッキングされていると、新しい見覚えのないアプリが突然現れたり、既存アプリの起動に時間がかかったり、アプリが勝手に開閉したりすることがある。不審な挙動に注意すること。
4. 不審な通知や設定の変化を見分ける
予期しない通知、要求していない2要素認証コード、ポップアップが表示されることがあり、カメラやマイクの権限といった設定が変更される場合もある。
5. アカウントを確認する
最大の赤信号は、Apple IDやグーグルアカウント、その他のオンラインアカウントから、気付かないうちに締め出されることだ。
6. ウイルス対策ソフトを実行する
信頼できるセキュリティソフトをインストールして実行すれば、スマホが実際にハッキングされているかどうかを確実に判定できるはずだ。Bitdefender、Norton、Kaspersky、AVG、McAfeeといった有名製品を使って、端末に入り込んだマルウェアやスパイウェアを検出・削除する。不審なものを削除し、スマホを再起動してから、端末が本当にクリーンになったことを確認するために再度スキャンを実行する。



