動きを止めて輝く
ドネリーは自身の経験から、「モキシー・メソッド」を開発した。持続可能なリーダーシップのための5つの段階からなるフレームワークだ。
1. 静止(私):リーダーシップは意図的に休むことから始まる。動きを止めると創造性や洞察力、問題解決が引き出されることが脳科学で明らかになっている
2. 閃き(私):好奇心を持つと自分自身と周囲の人の長所と才能が見えてくる。それが自信となり、自分の強みに沿った生き方へのコミットメントにつながる
3. 芽生え(私たち):恐れや不快感、脆弱性に向き合うことでつながりや成長への道が開ける。真実を特定し、大胆かつ一致した行動をとることでリーダーは他者も続けるような環境を作る
4. 発言(私たち→世界):勇気を持つことで発言できるようになり、コラボレーションとイノベーションを促進する
5. 輝く(世界):後進の指導から文化的な変化に至るまで、個人的な変革が構造の変化を促すとき、レガシー(遺産)が生まれる
ドネリーの成長過程は多面的なリーダーシップの必要性を示しており、成功の新たなとらえ方に沿っている。つまり、ウェルビーイングは基礎であり、個人が自分の声を取り戻すことでチームは成長し、リーダーがスピードを崇めるという誤った風潮に抵抗することで産業は転換するというものだ。
長期的には「ゆっくり」が勝つ理由
AIはワークフローを加速させるかもしれないが、それに応じてリーダーがより多くの成果を求めるだけなら、結果は予測できる。バーンアウト、従業員の減少、停滞だ。私たちはすでに、週6日、午前9時から午後9時まで働くというアジアでよく見られる「996勤務」や、彗星の如く現れるやいなやすぐに消えていくシリコンバレーのスタートアップでそうした現象を目の当たりにしている。
取り得る別のアプローチは勇敢で大胆だ。リーダーはスピード神話を否定し、静止の力を受け入れるのだ。
ドネリーは自分自身とクライアントにこう問いかけている。スピードと成功を同一視するのをやめ、プレゼンスと力を同一視するようになったら、(あなた自身、あなたの人間関係、そしてより大きなコミュニティにおいて)何が変わるだろうか。
未来は、単に一番早く動く人のものにはならない。ビジョンを維持し、他者を鼓舞し、長く続くインパクトを生み出す人たちのものになる。そして時に、リーダーシップの最も大胆な行為は立ち止まることだ。そうすることで、真の進歩が始まる。


