リーダーシップ

2025.10.10 12:00

「スピード至上主義」の現代こそ、リーダーに「静止」が求められる理由

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「何もしないこと」への神経科学の見解

ドネリーが経験したことは神経科学を反映している。米アイオワ大学の神経科学者、ナンシー・アンドレアセン博士は、脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が休んでいるときに活性化することを明らかにした。DMNは創造性や自己反省、斬新な関連付けを司り、リーダーやイノベーターで最も重んじられる能力だ。

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これがパラドックスだ。ノンストップで加速し続けることは、シリコンバレーが重視するブレークスルーを台無しにしてしまう。真のイノベーションは加速している状態ではなく動きを止めているときに生まれるのだ。

猛烈な労働を促しているのは「恐怖」

動きを止めることがそれほどパワフルなら、なぜリーダーはスピードに固執するのだろうか。その答えは「恐怖」だ。

スピード神話は、無意味であることや競争、取り残されることに対する恐怖に根ざしている。競争が激しく、セーフティネットが最小限である新自由主義の晩期資本主義経済ではスピードを上げることが生存戦略となる。過重労働は美化され、名誉のバッジのように扱われる。だが恐怖からくるリーダーシップは疲弊、離職、そして信頼と協力の低下を招く沈黙の文化といった予測可能な代償を伴う。

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動きを止めるとこのサイクルは断たれる。リーダーはペースを落とすことで自己信頼を高め、視野を広げ、回復力を培う。パニックではなくプレゼンスでリードすることを学ぶ。

揺るぎない静止が生み出す、確固たるプレゼンスを活用する

たとえば、馬がどのように群れを率いるかを考えてみよう。放牧地で静かに佇む馬は受動的な存在ではない。強固なプレゼンス、つまり体現された気づきや明確な境界線、群れに対する深い応答性を放っている。このような揺るぎない静止は注意を引きつけ、安全を生み出す。

人間のリーダーもプレゼンスを力として活用できる。動きを止めることは撤退ではなく、意図的な行動のための基盤だ。馬が示すように、真の権威は必死に動き回ることからは生まれない。他者が信頼し、従うことを可能にする不動の姿勢から生まれる。

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翻訳=溝口慈子

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