宇宙

2025.10.11 13:00

JAXAの新型補給機「HTV-X」、10月21日にH3で打ち上げ 油井氏が待つISSへ

新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」のイメージ (c)JAXA

6号機よりも先に打ち上げる

HTV-Xを打ち上げるH3ロケットは7号機だが、じつは6号機はまだ打ち上げられていない。6号機の地上におけるエンジン燃焼試験は7月に行われていたが、その際、機体に不具合が見つかっていたことをJAXAは9月29日に公表した。燃焼試験が順調に進めば、早ければ2025年の第4四半期にも打ち上がると思われていたが、この不具合によってさらなる燃焼試験が必要とされ、7号機が先に打ち上げられることになった。

advertisement

6号機は「H3-30S」と呼ばれ、固体燃料ブースターをひとつも搭載せず、第1段にLE-9エンジンを3基搭載した形態。中型の液体燃料ロケットを、固体燃料ブースターを使用せずに打ち上げるのは国内初の試みであり、その進捗は大きな注目を集めている。

H3ロケットのバリエーション。いちばん左が6号機に採用されている「H3-30S」。フェアリングの「S」はショート、「L」はロングを意味する (c)JAXA/Y.Suzuki
H3ロケットのバリエーション。いちばん左が6号機に採用されている「H3-30S」。フェアリングの「S」はショート、「L」はロングを意味する (c)JAXA/Y.Suzuki

H3は燃料として液体水素を搭載し、それを燃やす酸化剤として液体酸素を搭載する。今回のトラブルではそれらのタンクの圧力が十分に上がらず、エンジンへの供給に必要な圧が不足したという。H3の第1段には225トンの推進剤(燃料と酸化剤の総称)が搭載され、それを292秒ですべて燃やしきる。その間、推進剤が刻々と減少するためタンク内には負圧が生じるが、それを解消するため、タンク内にヘリウムガスを注入して圧を高める。もしその工程が上手くいかなければ、推進剤が負圧によってタンクに引き戻され、エンジンに供給されない可能性がある。

じつは2025年中にもう1機、米国の民間補給機もISSに向けて初飛行を行うはずだった。シエラスペースが開発する「ドリームチェイサー」はスペースシャトルに似た形状を持ち、大気圏に再突入した後はグライダーのように滑空しながら滑走路に着陸できる。そのため大分空港への着陸を誘致する活動も続いており、国内からも大いに注目されている。

advertisement

しかし、その大幅な開発遅延からNASAとシエラスペースは契約を改め、初飛行で同機をISSにドッキングさせるテストをキャンセルすると9月25日に発表した。これによってドリームチェイサーの初飛行は、地球を周回する低軌道を自由航行するテストに切り替えられた。現時点でその初飛行は2026年後半を目指すとされている。

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事