健康

2025.10.14 08:15

椎間板は「消耗品」、放置で悪化の一途 腰痛の自己流対処は危険

Getty Images

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腰に痛みを感じたとき、約半数の人は湿布やストレッチなど自己流の対処で済ませていることがわかった。しかし、正確な診断と原因がわからなければ、的外れな処置でかえって腰痛を悪化させる。腰痛を甘く見てはいけない。

野中腰痛クリニックは、20〜70代の腰痛経験者1006人を対象に「腰痛の気づきと対処の実態」に関する調査を実施した。それによると、腰に違和感を覚えてから腰痛だと認識するまでに数日以上の時間を要した人が約4割。理由として、一時的なものだと思った、痛みが軽かったなどがあげられ、腰痛を軽く見ていたことがわかる。

また、初めて腰痛になったときの対処でもっとも多かったのが、市販の湿布や薬の使用で、医療機関にかかった人よりも多い。それというのも、最初に感じた痛みの多くが、鈍く重い痛み、軽い違和感、チクチクする軽い痛みがほとんどで、いきなり強烈な痛みを感じる人は1割に満たない。そのため、つい放置してしまう。

最初に違和感を覚えたきっかけは、長時間座っていたあとや重い荷物を持ち上げたときなどが多い。もちろん、そうした行動を避けることは重要だが、本当の原因は「誰もが日常的に行っている動作」に潜んでいると野中腰痛クリニック副院長、石田貴樹氏は指摘する。そのため「意識して姿勢を変える、こまめに立ち上がる、負担を減らす工夫を取り入れるなど、日常の小さな改善」が大切とのことだ。

「消耗品である椎間板は傷つくと元には戻らず、悪化の一途をたどります」と石田氏。一度痛い目に遭った人たちは「腰痛はクセになる」と口を揃えるが、正しい知識を持たず生活改善もしなければ、同じことが繰り返されて当然だ。「早期に専門医の受診と、適切な椎間板治療を検討することが重要」という石田氏のアドバイスは、大いに納得できる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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