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2025.10.09 17:00

トランプ、イスラエルとハマスが「和平調停の第1段階に合意」と発表

Anna Moneymaker/Getty Images

Anna Moneymaker/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領は米国時間10月8日、イスラエルとハマスが和平調停の第1段階に合意したと発表した。この合意には、すべての人質の全面的な解放と、イスラエル軍のガザからの部分的撤退が含まれており、大統領は週末にガザへ訪問することも検討していると述べた。

トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、この第1段階の合意のもと、すべての人質が「まもなく解放される」と述べ、ガザにいるイスラエル軍が「合意された境界線まで撤退する」と付け加えた。

トランプの計画では、イスラエル軍のガザ撤退は3段階で進められることになっており、イスラエルはこれに同意している。最終段階では、ガザ地区のおよそ15%がイスラエルの管理下に残り、「テロ再発の脅威からガザが十分に安全になるまで」維持されるとされている。

この発表は、トランプが記者団に対し、「マルコ・ルビオ国務長官が私に『中東での合意が非常に近い。すぐにあなたの出番が必要だ』というメモを渡してきた」と語った直後に行われた。

ハマスによる2023年10月7日のイスラエル奇襲攻撃以降、イスラエルのガザ侵攻はほぼ2年にわたり続いており、これまでに複数の和平交渉や停戦が試みられたものの、いずれも失敗に終わっている。

記者から「現地の状況を視察するためにガザを訪れる考えはあるか」と問われると、トランプは「そうするかもしれない」と応じ、「エジプトにはおそらく行くことになる。今はみんなそこに集まっている」と語った。ホワイトハウスの発表によれば、トランプは10日にウォルター・リード米軍医療センターで年次の定期健康診断を受ける予定で、その後「間もなく中東訪問を検討する」とされている。

AP通信の写真家、エバン・ヴッチは、ルビオがトランプに手渡したメモを撮影したとみられる写真を公開した。そのメモには「非常に近い。あなたが最初に合意を発表できるよう、トゥルース・ソーシャルへの投稿を早急に承認してほしい」と書かれていたように見える。

ハマスの高官はAFPに対し、「すべての関係者の間に楽観的な雰囲気が漂っている」と述べた。これは、武装組織が停戦の第1段階で釈放を求める囚人リストを提出した直後の発言である。エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領も、和平合意に関して受け取ったメッセージは「非常に励みになるものだった」と述べたと、NBCニュースが報じている。イスラエル側はハマスの声明についてコメントしていない。

トランプの20項目から成る和平計画は、イスラエルがほぼ全面的に同意し、ハマスも一部を受け入れているが、武装解除やガザの今後の統治、国境問題などで意見の相違が生じている。この計画では、ハマスの武装解除が求められているが、ハマスはパレスチナ国家が設立されない限りそれに応じる意向はないと述べている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は最近、「ハマスは武装解除され、ガザは非武装化される。それが容易な方法であれ、困難な方法であれ」と発言した。

この計画によれば、ガザは当面、「有能なパレスチナ人および国際的専門家」で構成される「技術的かつ非政治的なパレスチナ委員会」により統治されることになっている。しかし、この委員会はトランプが議長を務める平和評議会の監督下に置かれるとしている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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