思考を映すプロンプティング
一般に、出来の悪いプロンプトはふたつの類型に分かれると私は感じている。ひとつは極めて曖昧なもの(「われわれの製品についてブログ記事を書いて」)。もうひとつは、過剰な詳細をろ過せずに詰め込んだもの(「新しい環境配慮型の水筒について、Z世代を主対象としつつ団塊世代にも響く、説得力があり、SEO最適化され、感情に訴えるブログ記事を、堂々としていながら遊び心があり、かつプロフェッショナルなトーンで……」)。いずれの場合も、問題は言葉遣いだけではない。その背後にある思考にある。
自分が本当に何を望んでいるのかを明確にする
質の高いプロンプトを作ることは、自分が本当に何を望んでいるのかを明確にする作業を強いる。すなわち、目標を定義し、ユーザーを想定し、達成したい成果を理解することだ。トーンを自社ブランドに沿わせることがより重要なのか、それとも情報の厳密な正確さがより重要なのか。戦略が混迷して矛盾しているなら、AIがそれを解消してくれることはない――あなたの混乱をそのまま映し返すだけだ。
人はしばしば、プロンプト作成は技術的スキルでありエンジニアの領分だと考える。だがMITの研究によれば、実際はそうではない。同研究の参加者は、職種・学歴・年齢の面で幅広かった。「最良のプロンプト作成者はソフトウェアエンジニアではありませんでした」とホルツは述べた。「日常言語で考えを明瞭に表現できる人たちであり、必ずしもコードで表現できる人ではなかったのです」。
プロンプティングの達人になる
他のスキルと同様、プロンプティングは練習によって上達する。専門家はまず、あなたの依頼を実行するうえでAIが必要とする文脈について批判的に考えることを勧める。たとえば、成長中のスタートアップでマーケティング責任者を務めているなら、単に「キャンペーンメールを書いて」とは言わないことだ。顧客セグメント、製品のベネフィット、目指すトーン、読者に取ってほしい行動を与えるべきだ。
視点や態度の指定も有益
また、視点や態度を特定するのも有益だと、『The Conversation』に寄稿するカイ・リーマーとサンドラ・ピーターの両教授は記している。たとえばAIに「懐疑的なプロダクトレビュアー」「支援的なコーチ」「取締役会向けブリーフィングを準備するデータアナリスト」として振る舞うよう伝えれば、何を語るかだけでなく、どのように語るかを形作る視座を与えられる。私が気に入っている別のアドバイスとして、AIを「とても賢い子ども」だと考えようというものがある――あなたの依頼を遂行しようとする意思はあるが、文脈や過去の経験が不足している存在だというわけだ。
試行錯誤によって腕を磨ける
役割、トーン、構成を試行錯誤するほど、対話の舵取りの仕方がわかってくるし、必要なものをより速く正確に引き出せるようになる。プロンプティングに秘伝のレシピはない。明晰に考え、意図をもって指示を与え、望む結果が得られるまで反復を続けることに尽きるのだ。


