海外

2025.10.14 13:00

11年間赤字、新興国向け少額融資の米Talaが「成長による黒字化」狙い世界展開

Tala創業者でCEOのシヴァーニ・シローヤ(Photo by Cindy Ord/Getty Images for Girlboss Rally NYC 2018)

Tala創業者でCEOのシヴァーニ・シローヤ(Photo by Cindy Ord/Getty Images for Girlboss Rally NYC 2018)

Tala(タラ)は、新興国の低所得層向けに少額ローンを提供するマイクロレンディング企業だ。2011年に創業し、融資事業の開始から11年を経た今なお黒字化していない。だが、同社はテクノロジーを刷新し、与信モデルを一新したうえで6カ国に進出し、2026年初めまでに事業を採算ラインに乗せる計画だ。

パンデミックで経営危機に直面、融資額を約122億円から約5億円へ削減

2020年3月、新型コロナの感染拡大がフィリピンの家計を直撃した。政府は軍を動員して世界最長クラスの外出禁止令を施行し、多くの国民は家賃や公共料金の支払いが困難になった。その影響は、海を隔てた米カリフォルニア州サンタモニカにも及び、フィンテック企業Talaに深刻な打撃を与えた。同社は、フィリピン、メキシコ、ケニアの低所得層に最大500ドル(約8万円。1ドル=152円)の少額ローンを提供している。

Talaでは、もともと顧客の約1割が返済を延滞するのが常だった。しかし2020年第2四半期には、その割合が3倍に跳ね上がった。米国の多くのフィンテック企業がデジタル取引の急増で恩恵を受けるなか、Talaは事業の大半を停止し、起業家の間で「ゴキブリ・モード」と呼ばれる生存モードに入らざるを得なかった。同社の月間融資額は8000万ドル(約122億円)に達していたが、急遽300万ドル(約4億6000万円)まで削減した。

創業者兼CEOのシヴァーニ・シローヤ(43歳)は当時を振り返り、「貸し手への返済ができなくなることを何より恐れていた。それが連鎖的な破綻を招きかねなかった」と語る。続けて、「社員は600人もいる。どうやって雇用を守ればいいのかと考えていた」と明かした。

Talaは、フィリピンとケニアでカスタマーサポート部門の2割を削減し、徹底したコスト削減に踏み切った。この緊急措置は功を奏し、1年後にはパンデミック前の融資水準を回復した。2021年には、評価額8億ドル(約1216億円)で資金調達を実施した。投資家の顔ぶれは、同じくフィンテック融資を手がけるUpstart(アップスタート)、Kindred Ventures(カインドレッド・ベンチャーズ)、Revolution Growth(レボリューション・グロース)などだ。

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翻訳=上田裕資

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