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2025.10.09 18:00

大人の交友関係で孤独を感じるのはなぜ? 心理学者が「3つの理由と解決法」を解説

Shutterstock.com

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交友が自然に築かれていたような時もかつてはあった。成長して学校では同じような考えを持つ人たちと出会い、活動を共にする機会がたくさんある。

だが年齢を重ねるにつれて、そのような交友関係の多くは消えていく。恋をしたり、転職したり、外国に引っ越したり、それまでとは違う人間に成長したりと、皆自分の人生で忙しくなる。こうした変化の中では友人と疎遠になりがちだ。

しかし、だからといって人生において素晴らしい友人を持つことの価値が下がるわけではない。むしろ、だからこそ緊急性がある。多くの人が大人になってから思いがけず孤独を感じ、かつてはとても簡単に手にしていた支えとなる交友関係を切望しているという。

この記事では、大人になってからの交友関係でなぜ孤独を感じるのか、そしてそれを好転させるにはどうすればいいのかを解説する。

1. 他人が最初の1歩を踏み出すのを待っている

職場やジム、その他の社交の場で、距離が近いだけで他人が自分に話しかけてくるだろうと考えるのは自然なことだ。多くの人は、若いうちは他人に近づくことにあまり躊躇しないが、大人になると警戒心が強くなる傾向がある。

ここで自発性が大きな違いを生む。仲良くなれそうな人に声をかけようという意思を持つだけで、素晴らしい交友を築く道が開ける。実際、見知らぬ人や知人との何気ない会話は精神衛生上、数え切れないほどの良い結果を生む。

「知らない人との何気ない普通の交流でさえ、私たちのウェルビーイングにとって重要であることを知って驚いた。外出した際のこうした一見平凡な交流が、実は自分が社会の一員であることを感じさせ、帰属意識を与えている」。そう語るのは、専門誌『The Journal of Positive Psychology(ジャーナル・オブ・ポジティブ・サイコロジー)』に2024年に掲載された研究の筆頭著者、テイラー・ウェストだ。ウェストらの研究チームは知人や見知らぬ人との日常の交流の質を向上させるための新しいマイクロ介入をテストした。

研究チームはまた、見知らぬ人や知人との交流の質が孤独感の軽減やメンタルヘルスの改善につながり、親密な人間関係によって得られるメリットと同等であることを発見した。

小さなことから始め、小さなつながりを作る行為を重ねる

内向的だったり、自分を積極的にアピールすることに抵抗を感じる人は、小さなことから始めて意図的に友達を探すといい。下記の方法を参考にしてほしい。

・友達になれるかもしれない人たちが定期的に集まる場所に行く。読書クラブ、陶芸、ジム、あるいは地域のイベントといった、同じ趣味を持つ人の集いなどだ。大切なのは積極的に動くことだ

・会話を始め、相手の話を聞き、積極性や興味、熱意を示す。あなたが純粋に好奇心を示し、相手のことを知ろうとすると、相手もそれに応える傾向がある

・このような最初の出会いが積み重なる中で、コーヒーや散歩、ちょっとした外出などに誘って知り合った場所以外で交流すると、知り合いから友達へと移行する

同じ場所に頻繁に現れ、意図的にこうした小さなつながりを作る行為を重ねるほど、あなたの存在はやがて周りの人にとって身近なものに感じられるようになり、その親しみが友情を自然に育ててくれる。

次ページ > 2. つながりについて考えが凝り固まっている

翻訳=溝口慈子

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