リーダーシップ

2025.10.09 16:59

組織を変革する力—偉大なリーダーが自らの物語を語る真の理由

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マリー・キンタナ氏はキンタナ・グループのCEOであり、エグゼクティブコーチ、スピーカー、そして『ハバナからの最後のフライト』の著者である。

1998年、ペプシコのテクノロジー担当副社長に就任してわずか数週間後、私は不可能とも思える任務を与えられた。ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムにあるペプシのカスタマーサービスチームと、ダラスにあるフリトレーのヘルプデスクという、2つの主要サービス組織を統合するというものだった。

書類上では、私は準備ができていた。ペロットシステムズで数々の大規模な変革管理プロジェクトを率いてきた。しかし、これはビジネス上の問題だけではなく、人間の問題でもあった。

対話の力

ウィンストン・セーラムの施設で働く100人以上の従業員のほとんどは、ノースカロライナ州を出たことがなく、まして自分の生活基盤を移すことなど考えたこともなかった。ある従業員は飛行機に乗ることが怖いと告白した。別の従業員はテキサスの蛇を心配していた。これらは単なる物流上の問題ではなく、個人的な恐怖だった—そして私はその部屋に入り、それらを通じてリードしなければならなかった。

私はどうすればいいか分かっていると思っていた。力強いスピーチになると信じていた演説をした。しかし振り返ってみれば、間違いなく私のキャリアで最悪のスピーチだった。自信を持って見せたかったが、ためらいがちで、つながりのない印象を与えてしまった。彼らの顔に失望の色が見え、自分自身もそれを感じた。

その夜、ホテルの部屋で一人、私は自分のリーダーシップを再形成することになる問いを投げかけた:私はどんなリーダーになりたいのか?

翌朝、私はやり直した。別のスピーチではなく、対話から始めた。一人ひとりの従業員と個別に会った。彼らの恐れ、物語、夢に耳を傾けた。何人かは退職金を受け取り、新しい章を始めた。数人はダラスへの移転を決めた。数ヶ月後、私は手紙を受け取り始めた—かつて辛いニュースを伝えた人々からの感謝の手紙だった。

その経験から私は本質的なことを学んだ:リーダーシップとは完璧なメッセージを伝えることではない。真実を語り、他者にも同じことができる場を創ることだ。

私の物語が私のリーダーシップにどう影響しているか

しかし長い間、私は自分自身の物語を語ることを避けていた。

私は深い政治的変化の時代にキューバで生まれた。私の家族は共産主義から逃れるため、ハバナからの最後の民間航空便に乗り、私たちが知り愛していたすべてを後にした。私たちはルイジアナで新しい生活を始め、私は馴染むためにキューバ人であることを隠そうとして幼少期の多くを過ごした。

私はIBMのシステムエンジニアとして、そしてペロットシステムズでテクノロジー、営業、マーケティングのキャリアを築いた。そこでは思いがけずコスタリカでの誘拐事件の際にスペイン語の通訳を務めることになった。その経験で私はスペイン語と文化的ルーツに再びつながったが、それでも企業のキャリアラダーを上る中で、個人的な物語は背景に置いたままだった。

しかし2000年、何かが変わった。人事部から、ペプシコのラテン系エグゼクティブ全員をニューヨークに集めると連絡があり、同社で最も地位の高いラテン系女性として、私に話をしてほしいと言われた。私はためらった。自分の物語を語ることに慣れていなかった。しかし立ち上がり、自分の真実を共有すると—素晴らしいことが起きた。人々がそれに共感したのだ。その一瞬で、心から語り、自分の物語を伝えることがリーダーシップを定義できること、そして脆弱性とリーダーシップが実際に互いを強化し合えることを理解した。

ストーリーテリングから学んだ3つの教訓

それ以来、私はストーリーテリングが単なる有用な個人的な練習以上のものだと確信するようになった。リーダーが自分の物語を共有するとき、信頼を生み出す。他者が自分の全てを持ち寄ることを促す。そして人々が変化に耐えるだけでなく、変化を通じて成長することを安全にする。

企業統合、個人的な再発明、そして数十年ぶりに生まれ故郷のキューバに戻るなど、数十年にわたる変革のリーダーシップを通じて、私は3つの真理を見出した:

1. やり直すことができる。新たな出発は失敗ではなく、自由だ。

2. あなたの本来の姿が最大の資産である。そこにあなたの目的が宿っている。

3. 今、あなたの遺産を生きる。あなたが下す選択の一つひとつが、あなたが残す物語の一部となる。

もしあなたが変化を導くリーダーであり、新しいことを始めようとしている、あるいは単に自分の声を見つけようとしているなら、ここから始めよう:あなたの物語を語りなさい—洗練されたバージョンではなく、本物の物語を。あなたの正直さの中に、誰かが勇気を見出すだろう—そしてそれこそが、どんな戦略やスピーチよりも、組織を変革するものなのだ。

forbes.com 原文

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